グッドナイト・マミー

劇場公開日:2016年1月12日

解説・あらすじ

美容整形により人格まで豹変した母親の正体を疑う双子の少年が引き起こす惨劇を描いたオーストリア製サイコスリラー。2014年のシッチェス・カタロニア国際映画祭ほか、世界各地の映画祭で話題となり、米アカデミー外国語映画賞にエントリーするオーストリア代表作品にも選出された。森と畑に囲まれた田舎の一軒家で母親の帰りを待つ9歳の双子の兄弟。ところが、帰ってきた母親は顔の整形手術を受けており、頭部が包帯でぐるぐる巻きになっていた。さらに性格まで別人のように冷たくなってしまい、兄弟は本当に自分たちの母親なのか疑いを抱くように。そして正体を暴くべく彼女を試しはじめるが、その行為は次第にエスカレートしていく。「パラダイス」3部作などで知られる鬼才ウルリッヒ・ザイドル監督の妻で同シリーズの脚本にも参加したベロニカ・フランツと、彼女と2度目のタッグとなるセベリン・フィアラが共同監督を務めた。母親役に「ザ・ファイト 拳に込めたプライド」のスザンネ・ベスト。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。

2014年製作/99分/オーストリア
原題または英題:Ich seh, ich seh
配給:AMGエンタテインメント
劇場公開日:2016年1月12日

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(C)WIEN 2014 ULRICH SEIDL FILM PRODUKTION

映画レビュー

4.5 2014年のオーストリアの作品 サイコスリラーのジャンルに秘められ...

2025年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2014年のオーストリアの作品
サイコスリラーのジャンルに秘められた難解さにどれだけ気づくことができるか?
ここがこの作品を見るポイントとなる。
最後まで何が問題なのかがわからないほど難解な作品
最後のシーンで小屋が焼け落ちる。
あの場所は、母が建てた別荘のような場所で、ブルーレイとサインという言葉があるように、母はかつて女優だったことが伺える。
その母のもとに生まれてきたのがエリアスとルーカスの双子の兄弟
しかしその別荘で事故は起きた。
それはおそらく父が持っていたライフル
ライフルには弾が残っていて、それをおもちゃにしていたエリアスが、ルーカスを撃ったのだろう。
ルーカスは死に、もしかしたら母も自殺したのかもしれない。
この映画の視点は絶えずエリアスにあり、何故ルーカスに視点が逝かないのか不思議に感じていた。
エリアスはこの事件を完全に封印することに決めたのだろう。
同時にエリアスの心に、ルーカスが作り出された。
このことこそ、夫婦にとって一番つらいことになった。
そしてこの解離性同一障害のようになったエリアスの視点で、この物語が紡がれていく。
ここで気になるのがタイトルだ。
エリアスには絶えずママという人物が核にある。
つまり、ママはやはり死んだのだろう。
父は、医者に言われたのかどうか不明だが、自分の頭ですべてを作り出してしまうエリアスに対し、荒療法であの別荘へ滞在させることを提案した。
案の定、エリアスはルーカスを作り出し、そして「謎のママ」を作り出しておひとりさまごっごを始めた。
エリアスがしてしまったルーカスの死
それよりも、彼自身にはわからないが、母までも死んでしまったことがより大きな幻覚を作り上げたのだろう。
エリアスは、幻覚のママに連れられて小屋に行き、そこで起きた出来事を再認識した。
しかし、それよりも夫大きな出来事が残っていた。
それが、解離性同一性障害となってしまったエリアスによって、母が自殺をしたことだろう。
この物語は、この母の自殺という核の外に、ルーカスを殺してしまった罪悪感がある。
つまり、物語の最後になっても、エリアスはルーカスの死を思い出すが、母の死は到底受け入れられないことを描いている。
そして明確な母を作り出した要因こそ、この別荘にきてしまったことなのだろう。
今までは父からどこか遠くにいると言われてきた。
しかし、別荘に母がいた。
幼い子供の心の傷
それはどれほど大きなものなのか?
この作品は、それを謎に掲げ心の傷の深さを描いている。
エリアスは焼け落ちた小屋を眺めている。
しかしやはり母が現れた。
ルーカスも一緒だ。
何ひとつ解決されない。
一旦負った心の傷
この深さは、何をもってしても解決できない。
この物語を作った人は、大きな心の傷をしっているのだろう。
何をしても解決されない、特に子供のころの傷
別の現実を頭の中に作ってしまうほど、子供にとって大きな傷は元には戻らない。
エリアスにとって、あの優しかったママは未だ健在で、隣にはルーカスがいる。
この現実こそ現実で、誰が何を教えようとしても決して「そんなこと」は信じない。
これがエリアスにとっての現実であるならば、彼はこのタイトルの言葉を何が何でも「おやすみ」としか受け取れない。
決して「さようなら」とは言えない。
この純真な幼い子供の心の傷に涙が止まらなくなってしまう。

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R41

3.5 子供は残酷

2025年6月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

初めは包帯ぐるぐる巻きのママが双子の男の子達に冷たくて意地悪で不気味だったが、途中で包帯を取って素顔を見せた時から立場が逆転し、双子の男の子達のママにする拷問の残虐さが、幼いがゆえの発想力がいかに残酷かを思い知らされた。子供が一番残酷で恐ろしい。

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ゆうき

3.0 狂気

2024年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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ジュディス

3.5 予告編とあらすじだけ見たら「子供が偽物の母を撃退する話」だと思うだろう

2024年10月14日
PCから投稿

怖い

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