「終わらない悪夢」ミュージアム 映画が好きです。さんの映画レビュー(感想・評価)
終わらない悪夢
「秘密」に続く、大友監督の今作。
緊張感、迫力、ホラー要素どれも、バランスよく組み込まれていてよかった。
秘密と、ミュージアム、少し似たような内容ではあったけれど、最後のオチであったり、スリルを踏まえた、満足度は断然こちらの方が高いように思えた。
今回、キーとなっていたのは、裁判員制度である。これが、ベースとなって話が進んで行く。裁判員制度で選ばれた人は、人の命を重んじ、責任を背負って生きることのできる人間が、適正に選ばれているのか。この点を訴えている作品だ。そして、恐怖を与えているのは猟奇的殺人である点だ。現代において、いつどこにいるかわからないサイコパス。自分の身の回りに、存在しているのかもしれないという恐怖感をみなが感じれる設定である。
「あなたは、最悪のラストを期待する」
予告にあった通り、主人公•沢村はとことん、カエル男に追い込まれ、同僚を殺され、家族をも命を狙われて行く…
そして、最悪のラスト。一家に幸せな日常が与えられた、と思いきや、子供に紫外線アレルギーの症状が現れたような描写、かつ妻は一生パパラッチに追われ続ける。もし殺害されていたならば、それも最悪だろうけれど、1番のバットエンドはこれから先の人生において、カエル男の作り上げたミュージアムからは抜け出せないということではないだろうか。
一方で、内容において少し無駄な演出であったり、設定があった気がした。前作の「秘密」も、そうであったけれど、作品内のメッセージを際立たせるために、他のシーンがややわかりにくくなっているような気がした。