スポットライト 世紀のスクープのレビュー・感想・評価
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地味だった
期待していたけどそれほどでもない。地味なキャストにカメラも地味で、っていうのはリアリティに寄与するためのものかもしれないけどおもしろくない。個人的に。
どんなものがあっても、やはり追求する中身より、そんな中での日常の映画空間の面白さがないとついていきづらい。
記者たちのプロ根性に鳥肌
過去、だれもが深く追求しなかった、教会の悪事。それに対し、登場人物全員が翻弄します。なんていってもスポットライトチームのチームワークとプロ根性に鳥肌!
そしてなにより、黒幕サイド(教会側)のストーリーは一切ない分、映画中、当時の時代にタイムスリップしたかのような、リアルな衝撃を受け続けました。ひとつひとつの真実が暴かれる度、「うそでしょ‥。」と鳥肌がたちました。
ラストの方では、登場人物皆が、罪の存在を知りながらも、目をつぶりつづけた自責の念にとらわれていきます。悪を悪と言える勇気。映画のメッセージは、かなり大きいものです。
アカデミー作品賞納得の一品です!
テーマ性>娯楽性>技術性に軍配
どの作品がアカデミー賞を獲るのかを予想するのは難しい。作品の娯楽性が優先されることもあれば、技術の高さが優先されることもある。極端な言い方をすれば、アカデミー賞は作品自体の質のみでなく、アメリカの今が反映される映画賞でもあるからだ。
今年のアカデミー賞を獲得したのがこの『スポットライト』という作品であるが、はっきり言って娯楽性は低い。技術的に目を見張る演出も乏しい。しかし、神父による児童への性的虐待を暴くジャーナリストたちの活躍を描いた本作はアメリカが抱える問題点を指摘した。宗教を重んじるアメリカ人が本作から受けるショックは我々には分かり得ないほど大きかろう。つまり、今年のアカデミー賞は作品が取り扱ったテーマの重さが重要視された年だったのだ。
この作品の面白さはジャーナリストたちの見えない悪と戦う姿を描いていることだ。主人公たちはあくまでも記者であり、警察や司法の立場にない。どんなに有力な証拠を掴んでも、立件できないもどかしさがある。物語は淡々と進む。性的な悪戯をした神父たちとの激しい舌戦もなければ、被害者感情に過度に肩入れすることもない。故に自社の記事で真実を公表することこそが彼らにとっての最大の武器となる。そして、その武器を作り上げることが如何に大変なのか、言論の自由をもってしても、教会という巨大な権力に挑むことが如何に困難であるかを観客は疑似体験するだろう。
これがアカデミー賞か?という声も聞こえてきそうな気がするし、決して心地の良い作品ではない。しかし、エンドロール直前に映し出されるあるリストを見て、この作品の持つテーマの重さと、今尚続く問題の大きさを実感せざるを得ない。このアカデミー賞は言論・表現の自由を信じ、実際にこの記事を書き上げたジャーナリスト達の勇気と努力を讃えたものに他ならない。
事実に誠実であるというハードボイルド
信仰の基盤となる教会の「悪」が暴かれる、というのは、おそらく信仰を持たない人には想像できない大きな衝撃だと思う。
映画の中に出てくる「数字」が衝撃だ。神父の6%が性的虐待をしている可能性ある → ボストンの神父は1500人だから、その6%となると90人? → 実際調べてみたら本当に約90人だった! の流れはびっくり。
そして、この「6%」は、全世界のカトリック神父全体に当てはまる可能性があり、実際にこのスクープが発表されてから、ものすごい数の性的虐待の訴えが発覚する。
カトリック教会は組織ぐるみで隠蔽していたのは明らかであり、まさしく世紀のスクープだ。
これは、神父が「禁欲」を強いられることが根本的な原因だとすると、教会の基盤そのものを揺るがしかねない(そもそも組織ぐるみで隠蔽している時点で、聖職者としての権利は失われているはずだが)。
このスクープは、「権力」に対する批判、隠れた犯罪や隠れた被害者を明るみにする、という意味で、ジャーナリズムの本質を体現したものだと思う。
映画は、この事実を事実であるという重みを損なわないように、うまく脚本にしたと思う。
チームのメンバーは皆プロで馬鹿なヘマはしないし、分かりやすい悪役や妨害工作のトラブルがあるわけでもない。
しかし、根気よく丹念に目標に迫るだけのことが、どんなに大変かということがよく分かる。
彼らの記者ということに対するプロ意識も見事だ。
日本の新聞ははじめに先入観を持って、ストーリーを作り、その筋書きに合う材料を集めてきて記事にする印象が強いし、そういう記事がしばしば問題になる。
しかしグローブ社のメンバーは「裏をとる」こと、一次情報を集めることに多大な労力を割いていて、それが記事にするということだし、当然だと思っている。「思いは熱いが、頭は冷静」なので、危なっかしさがない。
この事件が示唆することは無数にある。
最も大きいのは、このような大きなことが、あまりに長く見過ごされていたということ。グローブ社のメンバーが認めているように、実はこの事件は何度も小出しの記事になっていた。その意味で真のスクープではない。
そのような、実はその業界の中では公然の事実として知られているけれども、構造的な問題で手がつけられていないような話はかなりあるのだろう。
映画の登場人物では、ユダヤ人の新局長にしびれた。口下手で控えめな性格だが、深く静かにふるまい、考えることができる。
口八丁で自己アピールに長けていて、明るくて社交的なことが過剰に評価されがちな現代で、こういう人こそが必要なのだと思わせる。
みんなが信じてるものにNOと言うこと
わりかし淡々とすすむ真面目な映画。でも意外と飽きない。
何事においても虚心坦懐に向き合って、タイミングを見計らって発表することは大事だなって思うわ。
あと、一部に登場人物や専門用語など、一回では理解しきれない部分がある。
日本人にはとっつき難い題材だが・・・
淡々と日常を描いていて、大きな山場が無いのにグイグイ引き込まれた。
一分の隙もない素晴らしい脚本に無駄の無いカメラワーク。そしてテンポの良い名優達のセリフ廻し。こういうのを上質というのだろう。
核心に迫っているのを感じ、テンションが上がる芝居等本当に凄かった。
大変良い時間を過ごせました。
緊迫感最高
終始、緊迫感あります。
みんな、いい演技です。
異動してきた局長も、大事なところで
メンバーを正しい方向へ導いていました。
彼がすごいんだな。
実話です、というところが恐ろしく。
教会を題材にした映画もいくつかありますが、
ここまで完全に敵としたものはあるかな?
個人でなく、教会を。
ラストの字幕には驚愕です…。
難局に立ち向かうには。
どんな組織でもそうでしょうが、
いかにチームで対応するかがカギになる。
一枚岩になるに越したことはありませんが、
仕事に対して真摯に向かえば向かうほど
それが難しくなることもある。
そんな局面でリーダーはどうあるべきなのか。
マイケルキートン扮する編集長の姿に
一つのヒントがありました。
アメリカのムラ社会
日本社会を批判する際によくムラ社会なんて表現をする場合がある。同調圧力や排他性、隠蔽体質、過度なコミュニティ意識といった意味合いで使われる場合が多いだろう。
本作の中では被害者が抑圧される原因の一つとして、教会を母体とした地域コミュニティからの圧力が何度か描写され、主人公たちもまた地域(ボストン)への愛着や、自分自身の信仰心との間で揺れ動く。
その姿を見ていると、人間が社会的動物である以上は、洋の東西を問わず多かれ少なかれ「ムラ社会」に属しているということを痛感する。
日本人とアメリカ人のムラ社会的な部分に違いがあるとすれば、それは単純に幼児期の教育において何が正邪の規範となっていたかに依存するのではないだろうか?
日本人の無宗教性をみて、アメリカ人はよく驚くという。彼らにとって宗教とは正邪の観念の基本をなすのだ。だからこそ、本作で描かれるような児童虐待が長年にわたり放置され続けたのではなかろうか。
彼らにとっては教会を中心とした地域コミュニティこそが「ムラ社会」なのである。
(そうは言っても、それに対する自浄作用はさすがの一言。今年も日本の報道自由ランクが下がったようだけど、問題なのは政府じゃなくて都合の良い報道しかせずに自分たちの社会的信頼を貶めてきた報道機関そのものじゃないの、と思ったり…。こんな胸の熱くなるような報道ストーリーが最近の日本でありますかね…。)
聖職者も人間であるのだが。
私は、日曜日に教会に行く習慣はないし、神父というのはどういう存在であるかもわからない。
神父というよりかは「僧侶」の方が親しみやすい。僧侶が、性的事件を起こすというのは、
そんなに多くは聞かない。
カトリックの教会の神父は、禁欲者で妻帯を禁じられている。しかも、民からは神のような
存在でなくてはならない。にもかかわらず、神父の児童への性的虐待が異常に多い。
ジャーナリストとしては、聖職者の性的スキャンダルをの真実追うのはウズウズさせられるネタ
(記事)に成り得る。カトリック教会の聖職者は、教会の閉鎖的な場所にいる。
聖職者は、「神」にちかい存在とはいえ、一人の人間であるし、教会そのものは人間がつくった
組織にすぎない。このような事件が起こり得る温床にあるのであれば、今まで以上に開放的な
空間と時間を与えるべきではないだろうか。
スポットライト
宗教の映画によく出てくる名前がポンポン出てきた。あれってなんだろう?って、考えながら見ることになったが、それでも、時間が短く感じた。
実話の映画になってるんだが、実際の話はもっと大変だったんだろう。
勇気のいる暴露なんだろうなと思う。
最後に、いろんな場所の名前が出ていたけど、ちょっとビックリする量だった。
How do you say "NO" to God, right?カトリック教会の闇をあばいた実話に基づく物語
正直アカデミー賞って苦手です。なんだか御高くとまってるイメージで、アカデミー賞受賞って言われると逆に敬遠してしまうタイプなんです。だってアカデミー会員って皆さん映画関係者で年間物凄い数の映画を観ている人達なんでしょ?一般人と感覚が同じわけないって!そんな感覚のズレた人達が選んでいる賞なんて、通好みであっても一般人の自分が観たって面白いわけないって。今までそう思ってましたが・・・この作品は面白かったです!
カトリック教会には全く馴染みがないのですが、権威を盾に子供に性的虐待を行ってた事件、そしてそれを隠蔽していた教会の暗部を暴いて行くストーリー。派手な見所が有るわけではないのですが、地道に調べてひとつひとつを積み重ね追究していく記者達を魅せる群衆劇です。ちょっと登場人物が多く誰だったっけなってなる事もありました。それでも骨太の社会派ドラマは一見の価値ありです。
個人的には日本人であまり宗教を気にしないのですが、宗教って怖いなって感じたのは司祭の家へインタビューしに行った時に「肉欲に溺れた訳ではないから別にイタズラしても良いだろ?」っと加害者のはずの司祭が平然と言ってのけてた事です。肉欲に覚えるのは神に背くこと。子供に性的虐待をする事より、神に背く方が悪いと思ってる時点で宗教家との隔たりを感じました。でも、ああいった感覚って宗教家さん達には当たり前なのかもしれないですね。怖っ!
マイケル・キートンが昨年の「バードマン」に続きいい味だしてます。バードマンとは全く違う役柄でも自然に演じていて上手さを感じます。マーク・ラファロが熱い記者を熱演!マイケル・キートンに食って掛かる姿はグッときました。リーヴ・シュレイバーは相変わらず存在感ありますね。紅一点レイチェル・マクアダムスのナチュラル美人も好感が持てました。
最終的にはバチカンまで巻き込んだ大事件に発展した本作。その始まりを作った新聞記者達の真実の物語。もしアカデミー賞だからって敬遠している方がいらっしゃいましたら(普通はいないのかな?)この作品は面白いので安心して観に行ってくださいませ!
よくぞ、この作品をアカデミー賞、作品賞にしたなーって感じ。 本当は...
よくぞ、この作品をアカデミー賞、作品賞にしたなーって感じ。
本当はもっと記者に嫌がらせがなかったか、家族は大丈夫だったか気になってしまいました。あれだけの記事を出すには自分の出世や命や家族の安全まで考えると、物凄いプレッシャーだったろうなぁと。。
まさに真実の新聞記者魂!アッパレです!
ラストで被害にあった場所がたくさん出されてたけど、まだまだあるんだろーなー。。
ちゃんとした司教もたくさんいるだろに、、ヴァチカン何してるかね、、悪さしたらここぞとばかり罰したればいいのに!!
真面目に信仰してる皆さんを裏切ったらあかん!
決して愉快な映画ではないから重いがこれぞ映画だね!!
本作がオスカーを受賞しても、映画の内容、ストーリーラインは絶対見ないで、まっさらな状態で観たいと考えていた作品だったので、本当に映画が描き出す特ダネは、正に私に取っても特ダネだった。映画を観終わっても、しばし呆然と固まってしまった。
「スポットライト」の内容を全く知らなかった事で、記事を入念に調査し、取材して歩く記者達とある意味で、同時進行しながら映画の世界を追っていく事が出来非常に幸運だった。
誰からか、映画の内容を漏らされて事前に情報を得ていたら、もうそれは「スポットライト」の価値を失う。特ダネじゃない。
「連載特ダネリポート」と言うのは、正に時間との闘い、新聞のヘッドラインにデッカク特集される記事ともなれば、本当に新聞社の売り上げに関わる一大事。
この辺の緊迫感を非常に巧く描き出していたと思う。
米国は日本に比べると歴史が浅いとは言え、アメリカ合衆国はヨーロッパからの移民が最初に住み着いたのがボストンを中心とするエリアだから、保守陣営の伝統と誇りを最も大切に守っている人達が暮らすエリアだから、こんなスキャンダルはあってはならない。そしてそのスキャンダルを隠蔽する為なら何でもするかも知れないと言う事も納得出来る気がした。
この手のスキャンダルを描いた作品では「真実の行方」があった。
そしてまた、新聞記者が真実を突き止める過程を描いた作品では「大統領の陰謀」が代表作と言える。
新聞社を描いた作品もこれまでには、「ニュースペーパー」「消されたヘッドライン」
マスコミに不正を描いた作品では「ブロードキャストニュース」等があるが、本作はこれらの今迄の作品の中でも、緊迫感、サスペンス性、登場人物の人間性の描き方といい、抜群の出来だと思う。
重い内容の題材ではあるけれども、オスカーの作品・監督賞受賞も頷ける堂々とした作品だったと思います!
これは映画史に残るヒューマンドラマですね!!
重たい話ですが面白いです。
2時間程度の映画でしたが、非常に内容が詰まっていました。テレビドラマ10時間分を映画のために2時間に縮めた感じです。人の名前や地域名などがたくさん出てきて、理解するのに大変でした。新聞記者のスタッフの方がみんな「仕事のできる方」の感じがうまく出ていたと思います。映画そのものは地味ですが、たまには派手なばかりでなくこのような映画をみたいものです。
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