リップヴァンウィンクルの花嫁のレビュー・感想・評価
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わからないまま押しきられる
安室が依頼されて黒木華に目をつけたのがどの段階からなのか?彼女のもともとの生活を破壊したのは彼ではないのか?
ストーリーは余白というか余韻が多くて
もやもやするけど黒木華やリリィの演技や映像で魅せられる。
退屈はしなかったけど、好き嫌いが別れそう。
真白が七海に[この涙があればいつでも死ねる]話した言葉が好きだったけど、
自分が死ぬと知っていたのが映像で分かってからは遺言だったんだと気づいた。
個人的には、健康体の彼女に、思いの強さとして表現して欲しかったけども。。
リリィ達と位牌を囲んで、裸で飲むシーンは、予想できなくてやるせなかった。
なにか、さらっと流れずに、心にひっかかる感じです。この感じは、忘れられない日々を過ごした誰もが持ってるデジャ・ビュに触れられてしまったからかな。
Coccoが居ない前半は前振り
岩井俊二監督の作品で一番楽しかった♪ランバラルとアムロが嫌いになりそう(笑)な胃の痛くなるような前半からCocco演じる真白が登場してからのつかの間の平和。そしてタイトルの意味が明確になるクライマックス。
三時間の長尺に全て意味があり、実に満足感のある読後感に映画を鑑賞する喜びを感じさせていただきました。
劇版がすごい of 2016
黒木華演じる皆川はとにかくあらゆる事象(仕事、結婚など)に対して受動的であり、匿名でSNSにホンネを吐き出す。誘われるがままに、結婚式の友人席には代理人を雇い、「旦那が浮気していますよ」と突然家に訪ねた男をおいそれと部屋にあげる、珈琲かお茶を淹れようとする。見ているこちらはイライラする。「なぜ自分で考えないんだ」「どうして何でもかんでも人の言いなりなんだ」物語が進み、それまで一切かからなかった劇中歌、メンデルスゾーンが流れてふと気づく、同族嫌悪だなと。
本当に劇中歌(劇版)の使い方が素晴らしかった!特に開始1時間程度だろうか、僕のイライラが最高潮に達していた時に初めてかかる劇版、ドローンによる不思議な浮遊感のある映像、黒木華の神がかった演技、万歳!生きててよかった!ありがとう岩井!最高だ!蒼井優を躍らせた時からお前のことが大好きだ!これだけで1,800円の価値があると思った。
皆川を離婚に追いやった張本人は安室なのか、クライアントは母なのか、なぜ皆川が真白のパートナーに選ばれたのか、なぜ真白は皆川を生かしたのか、分からないことだらけの映画ではあるが、満足感がすごい。わからないことは、パンフレットをじっくり自宅で読みながら、考えることにしよう。本当に幸せな映画だった。
-0.5は、やっぱり180分は長いよね、ということで。
3時間見せきる。
ストーリーテラー岩井俊二がその本領を発揮した。
とかく映像のセンスで語られることが多いと思われる岩井俊二だが、映像センスだけでは3時間はもたない。
「Love Letter」にしろ「スワロウテイル」にしろ「リリィ・シュシュのすべて」にしろ、そのストーリーテリングがものをいっている。
七海(黒木華)が鉄也(地曵豪)と出会って、結婚し、離婚するまでの物語の転がし方はあざやかというしかない。
翻弄される七海もかわいそうだが、ひと役かっている風の安室(綾野剛)がまたあやしげである。
そう、安室はあやしいのだ。七海が浮気しているかのような写真や動画を鉄也の母(原日出子)に送ったのは安室なのだ。
夫の浮気相手の彼氏(和田聰宏)ともつながっている。
この一件の解決を見ないまま、映画は終わってしまう。
安室が、里中真白(Cocco)の依頼を受けたのがいつだったのか。
これはもう想像するしかないのだが、七海は結婚式を憂鬱がっていた。それはSNSのブログで安室は知ることができる。
披露宴の代理出席を提案し、鉄也のことを調べ、、、いや、安室が真白の相手として七海を選んだのは、もっと前か。
そういえば、安室と七海が初めて会ったとき、安室はすぐに七海とわかった感じだった。
もしかすると、冒頭、七海と鉄也が初めて会うところも安室は見張ってた?そんなカメラワークにも思える。
このわからない、というのがなんともいい。いくらでも考えることができる。
そして、りりィである。
岩井俊二は、またひとつ傑作をものにした。
女の子が一人で生きていく。
不安定な女の子の世渡りを見ているだけでハラハラしていました。
ネット社会・詐欺・親族のトラブル…
今の世の中で問題になっている題材を取り上げ、うまいこと組み合わせてるなぁと唸りました。
七海がどうして回りに流されてるところを冷静に見てられるでしょうか。
あー!なんで!と心で叫びながら見ました。
今をいきる女の人に是非見ていただきたいです。
3時間何て気にならないくらい吸い込まれます。
明日を生きていく糧になるはずです。
受身の主人公にいらつく
なんだよナナミ、いらっとする。
自称・夫の浮気相手の彼氏なんて、家に上げるか?バカすぎる。話聞くなら外で聞けよ。
なんでいつもいつも考えなしに愛想笑いして適当に肯定の返事を言わされる?受け身にも程があろうよ!!!バカか!バカなのか!?
ということで、こっこが出てくるまでずーーーーーーーーーっと、ナナミにイライラしました。
こういう人がとっても嫌いなんでね。
確かに姑はきつい人だけど、ナナミの自業自得も結構あるよね。って思いました。
こっこが出てきてからちょっとイライラは収まりました。
が、こっこがリップヴァンウィンクルとわかり、こっこに死ぬフラグがたって、オチがちょっと見えて、、、でした。
リップヴァンウィンクルの花嫁とは、こっこの花嫁だったってことなんですね。なるほどーと思いました。
こっこの演技がうまくてビックリしました。
泣いてる人が結構いましたが、私ははまれず。
アムロを紹介した友達って誰なんですかね?
アムロは最初からこっこの心中相手を探すためにナナミの結婚式代行出席を仕組み、姑から別れさせ屋として雇われ、全てを失ったナナミに月収100万のバイトを紹介したんでしょうかね。
りりぃと綾野剛の裸で泣くやつとか、わたしはただただドン引きですわ。
紀里谷和明と野田洋次郎がちょろっと出てきたのが、一番盛り上がりました。
黒木華の演技はよかったです。
さすが岩井俊二監督
期待通りでした。
独特の映像表現、特に上映後の余韻がとにかくすごい。
終始引き込まれて気付いたら3時間あっという間でした。
好みが分かれる作品ですが岩井監督ファンなら満足できる作品かと思います。
観てきた。
【映画】リップヴァンウィンクルの花嫁 @渋谷ユーロスペース 2016/04/03 15:00- シアター2
大好きな岩井俊二監督の新作映画。渋谷ユーロスペースで続けて2本。チケットが1本あたり¥600も割引になるのでユーロスペースの会員になってしまった。
3時間があっという間。ヒロイン七海の迂闊さにやきもきしつつ、最後は涙腺崩壊…
パンフレット買ったので帰ってじっくり読む。
リリィシュシュ以来…なにげに神奈川いっぱい出てくる
love letterとか、打ち上げ花火〜とか、大好きだったけど、リリィシュシュがトラウマになり、それ以来の岩井監督作品。
チラシで見た通り、映像は本当にきれいだった。
透き通るような映像は必見。
あと、Coccoの演技や歌、黒木華とりりぃもよかった。
でもなんだろう、悪くないけどよくもない。
ネットでの出会いとか、時代をつかんでる感じのストーリーはいいが。
よくも悪くも、映像を見るための映画。
足元掬われる感じ。
…川崎が地元の自分としては、川崎とか蒲田って、やっぱ場末感満載なんだよな〜、って思った。
りりィがすべて
初めてこの監督の作品をスクリーンで観た。
観て良かった。
3時間頑張った甲斐があった。
まさかの最後で笑わせてもらった。
悲しいはずなのに笑ってしまうというか。
無さそうでありそうな現代の話し。
面白かった。
りりィとCoccoの演技がとても自然でリアルで印象に残った。
AV女優×エキストラ派遣×教師
現代のリップヴァンウィンクルが見た三時間の夢。いや、その花嫁が見た数ヶ月の夢か。
インタビューを読んで納得したが、これを撮るのに少数精鋭でノーライト、八ヶ月の撮影期間と、撮りながらストーリーを考えてゆく手法を選んだのだと言う。最初の結婚の出会いの場面の隠し撮り、豪華な結婚式が二回、いや、三回。そして葬式が一回、引っ越しが一回。リアルな学校の教室の場面、ノートパソコンでのインターネット家庭教師、別々のホテルの一室での二つの重要なシーン、友人の自宅でのお鍋、新居での生活、にせのアルバム写真、結納、義母からなじられる夜の部屋、夫との携帯でのやりとり、夜のタクシー、お屋敷の掃除、真白との共同生活、毒をもつ海中生物、真白の秘密、ラストの真白の母の怒りと涙。そして新しい生活。低予算作品とはいえ、準備や段取りが必要な場面ばかりだ。安室がどこまで仕組んだのか不明ではあるものの、我々は複数の安室的な力によって翻弄される七海と大して変わらないちっぽけな存在である。
長い。
けど、たっぷりと岩井俊二の世界を堪能できた。
初めは暗くなるばかりだったが、彼女の人生をなぞっていくうちに、惹かれていった。おそらく別れさせたのもコッコなのかな?綾野剛、悪いやつ。
黒木華はもちろん、コッコの存在感は凄い。何も知らなければ、誰だこの女優は?!とんでもないのご出てきた!!と思ったことだろう。歌だけではなく、演技でも人を魅了する人なのだと思った。
黒木華さすがです
上映館が少なく180分の作品ということで観るのに多少苦労しましたが、映画館で観て良かったです。
抑揚の少ない作品でしたがキャストの演技力の高さと展開力で興味深く鑑賞できました。華さん、これからも頑張ってください。
180分間の現実逃避
公開から約一週間で2回観ました。
書籍の方も読みながら。
本は細かな人物描写や設定などが描かれていますが、映画は本よりもずっと、端的に描かれています。
それでも、心に伝わるものはあります。
そこは岩井監督の場面の作り方が良いのでしょうね。
私も、七海のように行き場がなくて。
でも、少し救いがあるかもって思える。
そんなお話だった。
舞台挨拶で岩井俊二監督に会えて、幸せでした。
もう一回くらい観たいです。
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