「不思議な気分に包まれます」リップヴァンウィンクルの花嫁 せっちゃそさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な気分に包まれます
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様々な事象と運命が重なり合って、
物理的にも精神的にも”居場所”を無くした主人公・七海が
少しずつ生きる意味や居場所を見つけていく物語。
最初の1時間は七海の受け身さにもどかしさといらだちが募りますが、それ以降の真白と出逢ってから亡くなるまでの展開はとても素晴らしかったです。
「友達が欲しい」という真白に”ずーっと一緒に”と言った七海。
ずっと一緒にいてくれる=死ぬまで一緒にいてくれる、と言ってくれた人と結婚式場で花嫁になれたこと。
それが真白にとって最高の幸せで、それによって人生を終わらす決意ができたのだと思いました。
そしてそれが彼女のトンネルの出口だったのだと。
最後、真白の母と会うシーンもとてもよかったですが、
安室まで裸になったのは笑いを通り越して個人的には醒めてしまいました(笑)
物語の最初と最後の七海の手の振り方や、
前後半での不登校の生徒とのやりとりの違いから、七海の成長・変化を感じることができて温かい気持ちになりました。
こういう部分の何気ない表現、
さすが岩井監督といったところでしょうか。
明けない夜はないし、止まない雨はない。
そんなようなことを伝えたかったのかなあと個人的には解釈しました。
観る人ごとで大きく感想が変わってくる善い作品だと思います。
ただ、やっぱり180分はちょっと長い。。。
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