「若者は、このノリを楽しめるのかな?」ふきげんな過去 マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
若者は、このノリを楽しめるのかな?
若いころの自分って、いつもつまらん、とボヤいていたような気がする。
主人公の果子は、何かにつけて否定的で不機嫌で。その果子に共感できる人も多いのだろう。
果子「私には未来が見える。だから、何も新しいことはなくて、楽しくない」
みたいな言葉を吐くのだけれど、それに対して母は、
未来子「あなたの見ている未来って、過去なのよ」と、つぶやく。
この言葉がこの映画の核心なのかな?どの若者にもある不機嫌さへのメッセージ。自分の若いころにも当てはまるメッセージが、しかし、何らかの重みをもって響いてこない。
もしかしたら、どの若者にも当てはまる果子には、果子の生きてきた歴史に裏打ちされた、果子だからこその情念がない、からなのだろうか。すべての若者へのメッセージは、誰にも当てはまるがゆえに、何か薄っぺらなものにならざるを得ないのかもしれない。
果子という個別性、特別な存在を、具体的に描けばよかったのかな。
下手をしたら、青春映画って、おっさんから若者へのお説教になってしまう。そんな受け止め方しかできない私は、おっさんだからズレているのでしょうか。
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