「ぶっ飛んでる。夏の幻影。」ふきげんな過去 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
ぶっ飛んでる。夏の幻影。
日本映画にまったくないタイプの映画、そして前作とは比べものにならない完成度。あれは手を抜いていたか遊んでいたかなんかではないか。
頭がふらっふらになる。いったいいくつの仕掛けが施されてるのかわからないくらいのレトリック。油断してるとあっと掴まれる児童文学のあの感じ。
死と生、老いと思春期(反抗期)、あの世とこの世をいったりきたりで全部が夏の幻のようなファンタジー。
鈴木清順、黒沢清、アピチャッポン、ユスターシュ、モンティパイソン、カウリスマキ、、、ちがうな、押井守の初期アングラアニメ、、台風クラブ的、何に似てるのか説明に難しいし、たぶん監督は観てもいないだろう。なんかもっと引用しやすい文学作品はありそうな気がするが、、とにかく装置だけは朝ドラみたいなところに大量のセリフが長回しで用意され、まったくテレビドラマ的でもないし、なんだマジックリアリズムか気の違った朝ドラというべきか。
疲れた女も、老いた女も、ふきげんな少女も、大人ぶった女の子も、みんな豆を剥きながら佇んでる様は何かの亡霊、いや、やっぱり幻のようで、爆弾とワニをモチーフにしたクロニクルな青春映画だな。
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