「立体的かつ蛇足ある良実写化」美女と野獣 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
立体的かつ蛇足ある良実写化
ベルの生い立ちが複雑化しつつもしっかり描かれた点は非常に良かった。
野獣がベルにとって心の棘を抜く1つのきっかけを与えたことで、ベルの中の野獣が一段と存在感を増すことになる展開は必要なシーンだったと感じる。
追加された楽曲も良く、「Evermore」はその悲哀と愛を混ぜ合わせた野獣の心情に心が揺さぶられた。
アニメから実写になったことで捨て置くことが許されていた部分を回収しているのはとても良い。
(村の英雄の死がフルシカトなど取り残されている点もあるけど…)
主人公のベルを演じるエマ・ワトソンは、その強気かつ自立精神旺盛な顔つきにベルの精神性にリンクするものを感じさせるものの、個人的には演技プランが現代的すぎると感じた。
あくまでもこの物語はラブロマンスなので、「ベル」の愛らしい魅力をもっと主張して欲しいかな、と。
歩き姿に自信が満ち溢れすぎてる…
オリジナルではかわいらしくコミカルにデザインされた一緒に呪いを受けた家臣たちは、リアライズされた結果、若干不気味さを含んだものに…
まぁ仕方ないんだけど…
ポット夫人ぇ…
「時代考証?なにそれ?これはディズニーファンタジー」
と、相変わらずの開き直ってポリコレ要素をスキあらば仕込まれているのは明確に残念なところ。
基本的に出来は良い。
美点も多い。
多少の冗長さを感じる部分もあるので、『「美女と野獣」を視聴しよう』と思い立ったなら私は迷わずオリジナルのアニメ版を視聴すると思う。
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