「美しい世界観」美女と野獣 るんさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい世界観
熱烈なディズニー映画の美女と野獣ファンです。本作は一言で、すばらしかった!
忠実に再現されていて、さらに新しい歌もあったことから、これはこれで大変いい作品!!
エマワトソンの不敵な笑みというか、少し見下して眉をしかめたような笑い方がベルのイメージと合っていてとてもよかった。
呪いが解けた後の、疑いながらも顔を撫でるときの表情…!アニメのベルのイメージとピッタリ!!恋する表情はともかく、しかめる顔の演技はやはりうまい。
また、最近のフランス版美女と野獣でガッカリした野獣のビジュアルも違和感無し。アニメのイメージよりも人間に戻った王子様がハンサムすぎてちょっと笑っちゃったけど。
他の登場人物もほぼイメージ通りで、スッと物語に入り込めた。人種の多様化をグイグイ入れていたのはディズニーとして仕方ない流れなのかな…?
ただ、個人的にはどうしても気になる蛇足が二点。
・魔女の存在感の強さ
・謎にパリに一っ飛び
………これ、必要だった?
魔女、王子を野獣に変えておいて、城の近くの森に住んでるんかい。結局見守ってる存在なの?しかも最後の見せ場でここぞとばかりに現れて、バラ落ちてるのに生き返らすし…優しいの?意地悪なの??
あの家とも呼べない住居空間もなんの世界観を表していたのだろう…。
アニメ版通り、バラが落ちます、家来がガッカリします、同時に愛してるって言います、変身!のほうがテンポもいいし、しっくりくると思うんだけどなあ…。
家来が順に固まっていくのも、間延びしていて早く変身しないかなあと思って観ていた。…まあ、泣いたけど。
パリも謎。お母さんの設定を無理矢理組み込むなら魔女のポジションはっきりさせる展開いれてほしかった。別に元からベルはお母さんに捨てられた、って思ってたわけじゃないんだから、わざわざ振り返らなくてもよかったのでは?
とまあ気になる点はあったけど、他に関しては文句なし!ガストンとルフゥは適役だったし、興奮と感動の連続でした。
近いうちにまたアニメ版観返したくなりました。
なるほど、母親代わりとなると納得がいきますね。アニメ版のイメージだと、極端に言えば通りかかった魔女がたまたま魔法をかけた、といった印象だったのですが、ベル・野獣ともに亡くした母親の像をあえて描いていた点も踏まえると合点がいきます。
素晴らしい見解を共有してくださり、有り難うございます。
あの野獣を見守るように傍に暮らしていた魔女は、野獣の亡くなった母親の想いを象徴しているように感じました。(輝くように美しい…といった家来達の言動からも、亡くなった美しい母親を象徴しているのではないかな~と)
ポット婦人達が言っていた「私達は何もしなかった」に相反して、母親(代わり)だからこそ野獣に辛く重い試練を課せたという…
家族愛を随所に散りばめさせたこの映画のひとつの家族愛の形なのではないかなと感じました。