「素敵な作品だが、気になる点も」美女と野獣 kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
素敵な作品だが、気になる点も
原作はまったく知らず、吹き替え版で鑑賞しました。
観始めのころは日本語の歌に違和感を覚えましたが、だんだん慣れてきて最終的にはすっかりハマって観ていました。ララランドに比べてミュージカルシーンが多く感じられ、観応えがあって楽しかったです。
また、エマ・ワトソンが抜群に可愛いくてすっかりファンになりました。ララランドを蹴って美女と野獣を選んだとのことですが、彼女の気品ある雰囲気から言ってコッチの方が合っているので賢いなと感じました。
内容はなかなか楽しく、興味深いシーンもちらほら。
ベルが野獣に心を惹かれるきっかけが、狼から守ってくれたことではなく、本好きという共通する趣味を発見したことなのがリアルだった。ベルは本好きという個性を理解されず孤独な世界で生きていたので、世界を共有する相手と出会えて本当に嬉しかったのだろう。ベルは野獣との仲を深めていくうちに、父親以外の他者にはじめて自分を理解され、受け入れられていくような実感を得たのではないでしょうか。
こういったガチな心の交流が生じると、正直外見なんて70%くらいはどうでも良くなるもんです(30%の壁は高いですがね)。
他にもガストンに扇動される村人たちの感じはポストトゥルースな現代の映し鏡のように思えたし、また、キャラのバックボーンが比較的丁寧に描かれていたためキャラに深みもあったように感じました。なので、満足度は高いのですが、ものすごく気になる、納得できなかったポイントが一箇所ありました。
それは薔薇の花びらが散ってベルが愛を告白し、魔女の力で野獣が蘇るシーン。2人の力で呪いを解くのではなく、呪いを掛けた側の温情でなんとかなっちゃうという展開が、正直言って腑に落ちない。
ちゃんと言葉で伝え合い、愛の力で呪いをブチ破らないと、きちっと試練を乗り越えたことにはならないのでは?
ものすごく大切なパートだと思うのですが、原作やアニメ版はやはり同じように魔女に呪いを解いてもらうのだろうか?そこだけが引っかかってます。