「あのセリフがありません!!!」美女と野獣 まっさんさんの映画レビュー(感想・評価)
あのセリフがありません!!!
もちろん字幕で鑑賞。
キャスティングは安心してみていられる人ばかりです。
エマのベルが似合っていないという方がいらっしゃいますが、ディズニー映画史上一番の美人キャラと制作陣に言われている(オーディオコメンタリーに収録)ベルですよ、なかなかしっくりくる女優さんって難しいのではないでしょうか…
ダン・スティーヴンスはじめ周りの俳優陣がハマりすぎている為気になりません。
が、あのセリフが…あのセリフが…存在しない。
存在できない脚本なのです。
アニメのクライマックスの野獣が人間に戻るシーン
王子「ベル!僕だよ」ベル「あなたなのね」
アニメではベルが王子が野獣に変えられていることを知らない為上記のセリフが発生しますが、実写は早い段階で野獣=王子だと知るので「よかった生き返った!戻った!」くらいの感覚っぽいです。
ベルが王子の綺麗なブルーの瞳を確認するシーンがありますが、単に野獣=王子を確認するためだけな場面です。
アニメは王子だと知らずに野獣が好きなった。実写は変身させられている王子だけどそれでも姿関係なく好きなった。微妙なニュアンスですが気になります。
ベルは変わり者です。野獣や喋る家具の存在を信じるのは容易だと思うので人間だった野獣にする必要はないです。
次に図書館でベルが感動して見上げるシーン、ホールでのダンスの印象的なシーンのカメラワークがアニメのそれではないので引き込まれません。
また、冒頭の村のシーンやベルの母親の話を短くして、ベルが野獣(の姿の王子)に惹かれる過程を丁寧に描いてほしかった。
ベルの母親との別れのシーンはいらないと思います。あの時代出産で命を落とすことは多かったのですから伝染病の犠牲になった設定にしてそこを掘り下げる必要はないのです。
それより王子の心が優しかった頃を見てみたいとかのほうがいいのでは。そうすれば王子の母親がなくなって性格が変わっていく様子をみたベルの野獣に対する気持ちの変化の一つに加わったのにと感じてしまいました。
物語に深みを出させたいのはわかりますが、掘り下げるところが違う。
テーマソングですが、セリーヌに新曲を歌わせたのならセリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンのBeauty and the Beastでいいじゃないですか。
セリーヌ→アリアナ・ジョンの歌の流れなので違和感しかないです。
残念なところをばかりあげましたがラストのルミエール達シーンには泣かされました。あそこは付け足してよかったシーンだと思います。
色々言ってしまいましたがアニメと全く同じにすればそれは芸がないと言われるので大きく膨らませたのだと思いますが膨らませる箇所が数か所おしいだけで、総合して映画館で見る価値はある作品です。