「日本のコミック的な話で映像もアニメ的な感じ。かなり面白かったです。」ドクター・ストレンジ nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)
日本のコミック的な話で映像もアニメ的な感じ。かなり面白かったです。
いい意味で、非常に日本のマンガ、アニメに近いストーリー展開だったと思います。エンターテイメント性はもちろんですが、永遠の命、ダークサイド、東洋思想などの要素をうまく扱っていました。
これらの要素は必ずしもテーマ性にまで昇華できているかといえば、まだまだな面はあります。キリスト教の文化圏の人に東洋思想、特に仏教思想、禅的な思想はかなり難解なんでしょうね。目的や合理性の呪縛から逃れられていないと思います。因果応報は上手く扱っていました。
タイムループは禁断の力としての意味と、最後の解決に上手く結びつけていましたが、パズル的な扱い方までには達していませんでした。ただ、日本でよく見るご都合主義のタイムループと違い、そこにダークサイドのマイナス面を見ていたのは秀逸な視点だと思います。
原作が1960年代ということで、その当時からこのストーリーだったとしたら、昔のアメコミってレベルが高かったんだなあ、と思います。
そうでなく、かなり元の話からの変更があったのなら、日本のアニメ、コミックスの影響を感じますがどっちなんでしょう?
映像は、すごいの一言ですね。日本ならアニメでやりそうな映像でした。これが実写というかCGでできるんだからやっぱりハリウッドの金と人材、リソースはすごいですね。
これがオスカーの視覚効果賞ではないのが信じられませんが、CGの使いかたがしつこすぎて下品なのかもしれません。それに実写だときついですね。映画館だと画面酔いしていたでしょう。
主演男優の人。ヒーローものだと思って舐めていたら演技がすごいですね。声も渋くていい演技でした。
最近のハリウッドはどんどん勧善懲悪から脱してアンチヒーローになっていってますが、本作は良いバランスでした。少し人物描写が主人公以外弱い気もしますが、エンタメとしてはいいチューニングでした。かなり面白かったです。