劇場公開日 2017年1月27日

  • 予告編を見る

「類似の映像表現アイディアの行き着く先」ドクター・ストレンジ tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5類似の映像表現アイディアの行き着く先

2022年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ベネディクト・カンバーバッチ、マッツ・ミケルセン、ティルダ・スウィントンの豪華俳優陣
ストーリーはよくあるハリウッドフォーマットで、喪失からの努力して能力覚醒
適度に笑いや、コミカルな表現を盛り込みつつ展開するので良い

"ドクター・ストレンジ"と聞くと
『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年)』
を連想してしまうのだが、作中一切関係ないのでなんでこんな名前にしたのか謎だったが
もともとの掲載誌が『Strange Tales』なので誌名が由来なのかな

CMの時点で『インセプション(2010)』っぽさを感じていたが
実際視聴してみると『インターステラー(2014)』や『テネット(2020)』の要素を感じる部分もあり
やはり同じような映像表現を突き詰めると同じようなアイディアに収束するのか、と興味深く思った
映像表現はあくまでも映像表現であり、そこが似ているから良い悪いというものは特にないが
面白い

ただ個人的には、イメージボードに書いたインパクトある画面を
そのまま映像に"してしまった"ような印象を受けてしまい、
実際に視聴したときにどう印象を受けるか、という配慮がない映像に感じた。
結論"ごちゃごちゃしすぎて見づらい"

印を結ぶ姿、空間を捻じ曲げていく姿は非常に面白く、格好いい
とても厨二病心に刺さる
マントは最初格好悪いなぁと思いながら視聴開始していたが、
作中の演出で非常に魅力的に描かれていてよかった
『アラジン(1992)』の魔法の絨毯のようなキャラクター性を持っているのは◎

『HUNTER×HUNTER』の念の覚醒みたいなシーンでは、
『コンスタンティン(2005)』の椅子のシーンがフラッシュバックして、
エンシェント・ワンのティルダ・スウィントンはコンスタンティンでも出ていたな、と一緒に思い出した。

相変わらずスタン・リーはカメオ出演しているのでにやりとさせられる。

マルチバースという壮大な世界を1本の映画にまとめていてなかなか良いが、
紆余曲折はあるが結局のところ悪と正義という陳腐な構図になっていて、ラスボスの作り込みがうーん・・・
人間ドラマが薄く、無難な商業的作品の領域を超えていないのが残念

惜しい作品

tabletap