「映像凄っ、話は割とベタ系だけど、アイデアと映像はインパクト大なマーベルヒーロー物でした」ドクター・ストレンジ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
映像凄っ、話は割とベタ系だけど、アイデアと映像はインパクト大なマーベルヒーロー物でした
話そのものにはそこまで惹かれませんでしたが、映像とアイデアに関しては十分見るに値する要素だったなと思いました。
とは言え、最新のVFX技術を駆使したある種トンデモ映像と言えるぐらい進化しすぎな独特の映像世界がちょっと予告編見て苦手だなと思い、劇場鑑賞はパスしたのですが、これは家で見ても酔いそうなレベル・・・好きな人は大興奮でしょうが、私は劇場に行かなくて良かったなと改めて思いましたね、「インセプション」のトラウマが蘇りました。
上下左右ぐにゃぐにゃ曲がったり歪んだり入れ替わったり、目が回る・・・でも精神世界と言う、特殊な環境を示すにはこれ以上ない映像で、そこでのバトルはただド派手なだけで映像が凄いと評される映画とは一線を画す秀逸映像群でしたね。
しかもただ映像が凄いだけでなく、アイデアも凄かった、間違いなく過去に類を見ない作品だったと言えましょうか、だから逆にストーリーはある程度この手の映画のベタを踏襲したのかな。
物凄く強烈な敵がいなかった分、幽体離脱状態でのバトルとか、とにかくアイデア勝負、映像勝負、ラスボスとの対決も、そう来ましたかとある種感心させられました、興奮はしないけどこれはこれで有りでしたね。
どうやらアベンジャーズシリーズと密接にリンクしていくようですが、逆にあの映像を今度は映画館で見ないといけないのかと、楽しみよりもちょっと個人的な部分で不安の方が大きいかも・・・。
しかしこの主人公なら文句なしにべネディクト・カンバーバッチが適役でしたね、他では考えられないぐらい、傲慢な天才キャラが嵌りに嵌っていました、この男が成長するには、確かにこんな精神世界を体験しない限り成長できないよなと、説得力も十分でした。
魔術を習得していくスピードがあまりにも早すぎて、いつの間に?とやや拍子抜けした部分はありましたが、天才と伏線は張られていたのでそこは仕方なしか、変に間延びするよりもこの方が潔かったかも。
魔術も多種多様で見ていて面白かったです、どこでもドア的なアレいいなぁ~!
あとマントが相棒のような役目を果たしていて、意思は疎通していないけどいいコンビでした、お茶目でまるで生きているよう。
コスチュームを着てニューヨークに来るとコスプレ感が増す辺りもちょっとクスっときて面白かったです。
全体的にユーモアのセンスも抜群だったと思いました、何せ主人公が傲慢で嫌なやつだったので、時々挟まれるユーモアにホッとさせられます。
ヒロインの医師とのほんのり控え目なロマンスもいい感じでした、また演じたレイチェル・マクアダムスのしぐさが可愛くてねぇ、あの主人公には勿体無いぐらい。
ティルダ・スウィントンの師匠っぷりも、発する言葉に重みがあって、優しさもあって、そしてスキンヘッドでも女性らしい柔らかみがあって好印象でした、安定のマッツ・ミケルセンの悪役は今更言わずものがなかな。
兄弟子も巻き込んだ今後の展開と、アベンジャーズシリーズへの発展?にとりあえず期待します、今回はあくまでドクターに拘るドクター・ストレンジ誕生秘話として程々に楽しませてもらいました。