「シビルウォーを見るにはこれは外せないが」シビル・ウォー キャプテン・アメリカ たろさんの映画レビュー(感想・評価)
シビルウォーを見るにはこれは外せないが
双方間違った事は言っておらず、思想も理解できます。
意見のぶつかり合いと、互いに守りたいもの・正義への姿勢も間違っておらず、やるせない。総じて見るとあまり退屈もせず、面白い作品です。
(以下私情が大いに含まれている感想になります)
しかし、余りにも…。アイアンマン側からの歩み寄りは何度かありますが、キャップは決して折れず歩み寄りもしません。唯一残った旧友であるバッキーを護りたい気持ちは痛いほどわかりますが、それにしたってエゴが過ぎる。愛した人の孫?に手を出す謎のキスシーンもあるし、日頃トニーを責めるわりに、自分はエゴを振りかざし基本キャプテンからは謝りもしない姿勢は見ていて悲しくなります。
キャプテンもアイアンマンもお互い報告や相談をしようとしますが、「信じない」「無理だ」等周りが口出しして報連相をさせず、それがまた深い溝を生み出していきます。
ヒーロー大集合で戦うシーンは非常に胸アツで、アントマンやスパイダーマンが良いアクセントになっていて笑えます。しかしそこもワンダが他人の戦闘への横槍を入れまくったり、不慮の事故が起きたりしてモヤモヤが続きます。トニーもその際指示ミスをし気が散っていたヴィジョンに小言を言ったり、ウィドウに八つ当たりして酷い言い回しをし、”どっちもどっち感”を演出していますが、問題はその後。
自分から進んで自己責任で戦いに参加したはずのバートンが、獄中トニーを煽り「みんなこいつを信じるな」等全てをトニーのせいにしたり、トニーが間違っていたと謝り下手に出て和解にいくものの、そこから真相が判明し再度対立。
最終的にトニーは気持ちを抑え投降しろと言いますが、キャプテンはバッキーと二人がかりでトニーをボコボコにした挙句、スーツを丁寧にシステムダウンさせた後極寒の地に一人置き去りにして消え、最終局面でやっと手紙上で傷つけたことへの謝罪をし、「困ったら事があれば呼べ」と一方的にヒーロー面をします。
自分のせいで捕まった仲間を自分で助けに行き、ヒーローキャプテン万歳といった風に終わるので、全体のファンとしては非常にモヤモヤする内容でした。トニーだけが取り残され孤立する様が嫌で、消化不良を起こします。
しかしこれだけ盛沢山の展開を無理なく一つの作品にしている上、飽きずに最後まで見られます。作品として素晴らしいと思いますが、一ファンとしてはモヤモヤする作品でした。
インフィニティウォーにつなげる為、仕方のないことだったのだと思いますが…。