ロブスターのレビュー・感想・評価
全144件中、81~100件目を表示
恋愛文化の構造をシュールに壊す試み。
キャストが好みで、設定が面白くって興味があったけれども、シュールすぎてついていけへん系だったらどうしようと思っていました。しかも公開館すくなかったんで、見逃していました。
そんな折、行きつけの映画館でなんと会員限定で無料上映してくれるってことで、それなら、と思い、観てきました。2017年3月のことです。
結果、これ結構あたし好き、って感じでした。
あらすじを引用しますと以下の感じです。
独身者は身柄を確保されてホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、動物に変えられて森に放たれるという近未来。独り身のデビッドもホテルへと送られるが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、ほどなくして独り者たちが隠れ住む森へと逃げ出す。デビッドはそこで恋に落ちるが、それは独り者たちのルールに違反する行為だった。
(引用終わり)
もうちょいあらすじ補足しますと、独身者のホテルにずっといる方法もあるんです。
それは、ゲリラ化している独身者を麻酔銃で狩った人数が、
残日数に加算されるため、ずっと狩り続ければパートナー選び中として、ホテルにいられます。
また、一応、なる動物が選べるみたいです。タイトルのロブスターはデビッドがなりたい動物です。
デビッドが連れている犬は彼の兄です。デビッドは結婚していましたが、ほかの相手を見つけた妻に捨てられ独身者ホテルに入れられるんですね。
まあ、私がこの世界にいたらば、確実にホテルにほりこまれます。そして、足の悪い男のように自分を偽ってカップルになるか、デビッドのようにゲリラ化するかを選ぶしかなくなり、逡巡の結果デビッドの道を選ぶ気がします。あるいは、あきらめて猫にでもなるかな。
ホテルのルールはひどくって、自慰禁止だけど、セックスは出来なくちゃいけないからメイドにおしりを擦り付けられ勃起力を日々確認される(描かれなかったけど女性はどうやって確認されてたのだろうか…)。自慰をしたら食堂で、トースターで手を焼かれる。狩りが苦手で日数を延ばせない足の悪い男は、自分を偽りカップルになる。デビッドもそうしようとして、冷徹な女に近づくが、冷徹な女に兄である犬を殺されて、ホテルを抜け出すんです。
そうして森の独身者に仲間入りするんだけど、独身者レジスタンスもいろいろルールがあって、恋愛禁止。
確かセックスもダメだったような。欲望は己で処理せよ、ということにやたらと厳格なわけです。
そんな中、近視の女であるレイチェルワイズと惹かれあってしまうんですね。
レジスタンスの活動費用はリーダーであるレアセドゥの両親から盗んでんのかもらってんのかしらんが、得ているようで、
レアたちはカップルを演じて表社会の両親に会いにいくんです。
で、デビッドと近視の女は夫婦設定なので、演技しつついちゃつきすぎてしまうんですが、その辺が面白くって。
あと、パートナー探しホテルにテロを仕掛けるんですが、
そのテロが、パートナー同士のきずなが所詮欺瞞だらけだって
ことを暴露して関係を壊しにかかるという、悪趣味かつ、胸のすくような痛快さがあり面白かったです。
近視の女との関係が、レアセドゥにばれて、近視の女は罰として失明されられます。その報復にデビッドはレアを犬のえさにします。そして、町へ逃げた二人はダイナーにいて、
デビッドは自分も失明しようとしますが、できる?できない?というところで終わります。
多分デビッドはできません。
そしてロブスターになるのかなと思いました。
なんで自分も失明しようとしたのかは忘れましたが(だめじゃん)、結局そんなに愛してないんですよ。禁止されてることがちょっとしたくなった、はしかのような恋をした程度なんかなと。あるいは、性欲に突き動かされたとかそんな程度。
我々が愛だなんだともてはやしているものは、所詮この程度のもん。そんな風におもえ、痛快痛快と思った次第です。
レアセドゥがメイドのかわいこちゃんとレズカップルっぽかったし、みんな勝手で無意味にストイックで、面白いなって思いました。
映画冒頭で、多分ホテルにいた冷酷な女が、牛を撃ったのは、
あれはなんなんでしょうね。元夫?
結局、自分本位。
男女の痛い恋愛模様、人間模様を突飛した設定で描いた作品。
独り身の人間が迫害される世の中、妻から捨てられた主人公はある施設に入る。そこでは、《45日以内にパートナーを見つけなければ動物にされる》というルールがある。45日という期間は、《狩り》で捕獲した独り身の人間の数の分延長することができるらしい。
まず、この設定がおもしろい。この作品に入り込めるかははここで分かれると思うのだが、わたしはこのシュールすぎる世界にとても引き込まれた。
パートナーと結ばれるために《共通点》をつくりだし見事結ばれ施設卒業が近い友人に触発されて、無理矢理《共通点》を演じる主人公はそれが原因で悲劇にあってしまい、すべてが馬鹿馬鹿しいと施設から脱走するもの、その先で出会った《独り身族》の中の女性と恋におちる。
人という生き物のは、やってはいけないことに燃えるものだ。
《独り身族》のルールを破ったふたりは、もちろんそれ相応の罰を受けることになる…
結婚しないやつはダメだみたいな世の中を描きながら、結婚なんて恋愛なんて馬鹿馬鹿しいという皮肉が込めてるのがこの作品の魅力だと思う。
演者が全員素晴らしく、舞台設定、スローモーションとクラシックを使った映像も素敵。
とてもおもしろかった!!!
レイチェルワイズはやっぱり可愛いし、レアセドゥはこういう役似合うよね。
常識
男と、女
2つのディストピア
結婚することも独身でいることもディストピアな世界。極端〜。
これ、パンフがあったら是非読みたい。監督の意図が知りたいよ。すごく興味をそそられた。
錚々たる俳優達に渇いた美しい映像、音楽も素敵。
で、私はロブスターになったと思う。だから最後は波の音。語り部は近視の女なのさ。
不条理であるということ。
窮屈な愛
独特な世界観の中では、あらゆる常軌を逸したシーンもサラッと次のページをめくる。
狩りをするでもなく積極的に婚活に精を出すこともなく、なりたい動物は明確な理由とともにロブスター
だと告げ、ただ運命の日を待つだけかと思えばルックスだけで(生き延びたいだけなら執着質な変態婆と付き合えばよかった)女性を選び、理想とはかけ離れた生活を送っては挙句、犬の兄を殺され怒って発狂。そのサイコ女も殺す。孤独を求めて森を逃げ込むが近視の女に惚れたが最後、失明をしてでもその愛を求める様。普通に愛せる前妻が居たのにも関わらず…
ここではパートナーとの何かしらの共通点を探す。
泳ぎ方だとか鼻血が出やすいとか目が悪いとか。
その共通点がなければ繋がれないような窮屈過ぎる愛が本人たちにとっては苦渋の選択なんかではなく、紛れもない答えなのであった。
最初から最後まで価値観の相違を押し付けられる。
ロブスターになんかなりたくはないが、最終的にはそこまでするならむしろロブスターになった方がマシなんじゃないかというような。常にズレがある。
メイドが操られたかのように主人公の協力したり、カルト宗教のような結婚賛美プレゼンテーション。無表情セックス。鼻血に加え家族揃ってペアルック。子供が主人公をナイフで殺すよう指示したり、我が身のための妻を裏切ってからの空砲ドッキリ。失明オペ。ラストカット。とにかくぶっ飛んでる。そしてレア・セドゥのドSリーダー感とかとても好きでした。
興味の持続力
全144件中、81~100件目を表示