クリーブランド監禁事件 少女たちの悲鳴のレビュー・感想・評価
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『ルーム』の実話版?これが実話というから驚きだ。
日本でも新潟県で10年間にわたる監禁事件があったことを覚えているけど、このアメリカの事件はさらに上を行っていた。シングルマザーの21歳になるミシェル・ナイト(タリン・マニング)が知り合いの父親アリエル・カストロ(レイモンド・クルツ)の車に乗せてもらうが、子犬をあげると言われ、自宅へと監禁されることになった。ミシェルというのが大人しい性格で高校も中退する憂き目に遭うが、幼い息子を行政の保護下に置かれたのも別れた夫に虐待されてのこと。監禁されてからも妊娠させられたうえに、暴力を受け流産させられる酷い仕打ちを受けるほど、悲運が続く。
監禁事件といえば、陰湿で暗いタイプの犯人を思い浮かべるが、スクールバスの運転手をしている犯人アリエルはバンドも組んでるし、実の娘たちも訪問するし、ゴミ屋敷に近い家ではあるが、誰かが監禁されてるとは思えない。これだからずっと見つからなかったのだろうけど、異常なのは9ヵ月経ってから、さらに一人の女の子アマンダが拉致監禁される。しばらくするとジーナという女の子も連れてこられる。合計3人!
性的虐待、暴力は当然のことながらあったが、TVMなのであまりにも酷いシーンは描かれていなかった。むしろ、監禁生活も慣れてくると、鎖に繋がれてはいるが普通の家族のように過ごすこともあったようだ。そして、アマンダが妊娠、出産・・・
10数年経って事件も発覚するが、アマンダの母親は捜索の集いなどの心労がたたって亡くなってしまう。ジーナ、アマンダは家族も心配してくれていたのだが、ミシェルだけは誰も心配してくれなかった上に、息子は養子縁組で幸せな暮らしをしていて、育ての親も会わせようとしなかった。監禁の辛さ、悲しさよりも、助かってからの方が泣けてくる。ミシェルの「死刑なんかじゃ足りない!」という言葉もぐさりと胸をつく。終身刑と禁固1000年の刑を言い渡された事実もその後の自殺によって虚しくさせられる・・・
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