劇場公開日 2016年1月23日

  • 予告編を見る

「よく見えなくても悲惨な状況がわかる」サウルの息子 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0よく見えなくても悲惨な状況がわかる

2020年5月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

ナチスの強制収容所で死体処理として働かされるサウルが、ガス室で生き残ったがすぐに殺されてしまった男の子を埋葬するために翻弄する話。
.
この監督、撮影の仕方が主人公の後ろにぴったりくっついて周りの状況が主人公を通してしか把握できない。登場人物も急に話しかけたりしてきて状況が上手く理解できなかったりする。
.
それでも越しに見える大量の積み上げられた死体からどんな悲惨な状況に置かれているかは理解できる。それに収容所がどんなところかの知識は日本人でもあるから、監督2作目の『サンセット』よりかは分かりやすかった。
.
この主人公のような働かされてるユダヤ人をゾンダーコマンドって言うらしくて、働いてるからといっていずれは他の人と同じように殺される。
.
死体は処理しないといけないし、いずれは殺されるなんて精神状態がおかしくなるに決まってる。サウルはこの男の子を埋葬してあげることに必死になることで、もう現実から目を逸らしてたのかな。
.

せつこん