劇場公開日 2016年9月17日

「「聲の形」という名の弾丸に見事撃ち抜かれた!」映画 聲の形 Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「聲の形」という名の弾丸に見事撃ち抜かれた!

2020年8月1日
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鑑賞方法:TV地上波

泣ける

笑える

悲しい

みんなのレビューを見てるといじめの表現がやりすぎだとかで意外と低評価が多いけれど、個人的にはめちゃくちゃ刺さった作品。
冒頭の15分くらいは陰湿ないじめのシーンが淡々と続き、痛々しいし、ちょっと胸糞なんだけど、何故か喉から何かが込み上げてくるような感覚に陥った。

そして高校生になってから。
罪滅ぼしかそれともただただ謝って仲良くなりたかっただけなのか。いじめていた硝子に会いにいく。そして癖の強いキャラクターやバツマークなど、アニメだからこそできる手法もある。
そして人物の足しか映らないカットがいくつかあったけど、それが伏線だったということにも驚いた!
カメラワークにまで伏線を張るとは…

痛々しい青春と爽やかな青春を対比しながらも融合させた作風で、救いようが無いような物語ではあるんだけど、作品自体がなにか目に見えない「優しさ」で包まれている作品だった。
この繊細な人物描写と風景描写は、京都アニメーションにしか描けなかったし、女性監督である山田尚子さんにしか描けなかったと思う。
自分が思うにこの作品は、「いじめ」によってそれぞれ背負った「穴」を互いに、時には傷つけ合いながらもながらも、埋めていく。そんな作品だと思う。

あと硝子が喋るときの「聲」がものすごくリアルで、ものすごく痛々しかった。早見沙織さんの声優としての本気を見せてもらった。

映画で泣いたのは、「タイタニック」、「砂の器」、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に継ぎ4回目。
あぁ…なんで京アニの作品はこうも響くのだろうか…

Pegasus