「浮世離れ」映画 聲の形 REDSTARさんの映画レビュー(感想・評価)
浮世離れ
大衆向けアニメとオタクアニメの決裂を表象するかのようなものでした。
新海作品や「この世界の片隅に」などと比べると背景世界の描写やキャラクターの動機、心情の奥深さに欠けてます。
アニメ調にデフォルメするならするで、デフォルメして欲しかったが、中途半端にリアルさとアニメ感が混在して気持ち悪かったです。
キャラクターを製作者の意のままに操っているかのような「製作者の見えざる手」が丸見えでした。
主人公の葛藤や変化は納得できますが、
なぜ西宮さんが主人公を好きになったのか?
あれだけいじめられながら、心が捻くれず、なぜ最後泣き崩れ、崩れたと思ったらいとも簡単にけろっとしているのか?
西宮さんを理解せずに都合よく扱っているのは製作者の方なのではないでしょうか?
登場人物のキャラ付けも、あのひょうきんなキャラクターならば、友達全くいないわけないでしょうに。
ツンデレの女の子もいくらなんでも初恋を引きずりすぎです。
正直言って背景がボロボロ過ぎて、作者の伝えたい内容が全く伝わりませんでした。
リアリスティック三部作
「シンゴジラ」
「君の名は。」
「この世界の片隅に」
に対して、大変お粗末な映画を日本が誇るアニメ制作会社京都アニメーションが作ってしまったことに愕然とします。
高校生までは面白く楽しめるものでしょうが、おおよそ大人まで楽しめるものではありません。
第三者からしたら不自然で、主人公にとって都合のいい展開の仕方をしますから。
もはや主義主張のない監督が作る製作会社主導のアニメでは、本当に面白いものが作れないということがよくわかった映画でした。
スクールカーストや主人公の心情描写は丁寧であっただけに残念です。
原作読みましたが、原作読まなければ成り立たない映画は映画としてありえないと思いますし、マンガと映画では動かす画面の量やキャラの量が違い、しっかり描かなければ二次元では目立たないものが軽薄なものになります。それが顕著な映画です。