「素晴らしき映像表現」映画 聲の形 lak510さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしき映像表現
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なんというか、随所に表面上の意味とは別の、真の意味が込められてるように感じた
一例を挙げれば、序盤の、主人公とヒロインの喧嘩シーン
いじめられっ子に転落した主人公と、その主人公が中心になっていじめていたヒロインの取っ組み合いの喧嘩という
なんともやるせない気分になる場面なのに、背景はどこまでも美しく、光までもが差し込んでくる
凡百の演出家なら、背景は暗く、窓の外は曇りか雨、過剰演出を好む人なら雷まで鳴らしたりするところではないだろうか?
だが、この作品はそうはしなかった
なぜか?
それはこの場面が「破局」に向かうそれでは無いからだ
むしろ、考えようによっては、何をされても愛想笑いを返していた、言い方を変えれば「コミュニケーションを拒絶していた」ヒロインが
暴力という「形」ではあるが、初めて他者と本音でコミュニケーションを取った、「聲」を上げた場面なのである
場面の悲壮さばかりを強調するため背景を暗くしたりせず、場面に隠された真の意味を示唆するための映像表現だったように思う
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