「精神はカッコイイが難しい。全く優しくない経済映画。」マネー・ショート 華麗なる大逆転 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
精神はカッコイイが難しい。全く優しくない経済映画。
【賛否両論チェック】
賛:先見の明を持って、世界の流れに敢えて逆らい、勝ち抜けていった主人公達の気概には、考えさせられるものがある。
否:「経済の仕組みについて知っている」という前提で話が進むので、そもそもの予備知識がないと、何が何だか全く分からないまま、退屈して終わってしまいそう。“第4の壁”を破って話を進める演出にも、好き嫌いがあるかも。
恐らく大抵の人が観た第一印象は、
「とにかく難しい!!」
ということだと思います(笑)。観る方が経済の仕組みを知っている前提で話がどんどん進んでいくので、知らないと
「え?それで結局、損したの?得したの?」
なんて、訳が分からなくなってしまいます。それが映画の最初から最後までずっと続くので、予備知識は必要です。
とはいえ、世間に対する“ウソ”が蔓延したウォール街にあって、先見の明を持って、敢えて大勢に勝負を挑み、勝ち抜けたアウトロー達の姿は、観ていて勇ましいものがあります。ブラッド・ピット演じるベンが、空売りに成功して浮かれるチャーリーとジェイミーに対し、
「〝経済の負け”に賭けたんだ。破綻で1万人が死ぬ。はしゃぐな。」
と叱るシーンが印象的でした。
なんとなく、頭がイイ人向けの作品かも知れませんね(笑)。
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