「多少の金融知識がある人だと、却ってタイトルにある『ショート』の意味...」マネー・ショート 華麗なる大逆転 alalさんの映画レビュー(感想・評価)
多少の金融知識がある人だと、却ってタイトルにある『ショート』の意味...
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多少の金融知識がある人だと、却ってタイトルにある『ショート』の意味が理解しずらいかもしれませんね。本作品では、CDS(保険)を買うことによりクレジットショート(賭けの対象が破綻すればもうかる)ポジションを積み重ねるプロセスを主に描いてています。しかもCDSは、対象物を借りてくる必要もなく売り手と買い手の合意があれば成立します。など知っていると投資銀行にCDSを買わせてくれとアウトサイダー達が交渉するシーンも理解しやすくなります。もちろん投資銀行株の空売りもします。原作を読むとリーマン危機の復習ができますが、かなりテクニカルな内容なので興味、知識がないときついと思います。
原作も映画も派手な娯楽性はありません。映画では、ウォール街の強欲傲慢だけどバカな投資銀行エリートや無力な格付け会社アナリストなど被疑者達の倫理感の欠如やそれらの経営者の無知さ加減を感じてください。自分達の信念を貫いて大金を手にしたアウトサイダー達も金融破綻と大量の被害者の発生に賭けた故の果実であるためあまりハッピーエンドとはいえない描かれ方をしてます。最後に、同様な商品が再登場していると警鐘を鳴らしています。
かなりネタバレですが、本作品の金融のテクニカルな部分は原作がサラッと理解できなければあまり楽しめないと思い、老婆心ながら。
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