「これまた、一周回って「邦題絶賛論」」マネー・ショート 華麗なる大逆転 しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
これまた、一周回って「邦題絶賛論」
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「キックアス」「マネーボール」「それでも夜は明ける」
ブラッド・ピットプロデュース作品にロクなものがない。作品内でも、作品外でも、自分がいいカッコをしなければ気がすまない。出れば、あからさまに浮いた役、出なくてもその「薄っぺらい作家性」を振りまく。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
はじめはこの邦題はさすがに、とは思った。
だが鑑賞後、むしろほめたい気になった。
この副題は「それすら皮肉」であることは史実でもわかるからだ。
また一方、その邦題はこの「何の意味も持たない、むしろ有害な映画」であることを痛烈に皮肉っている。
それは「マネー・ショート」という訳の分からない造語だけでもよくわかる。配給会社はこの映画を「産廃」と理解しているからだ。
冒頭からこの映画は教えてくれる。
「わかった気になることが一番危険なことだ」
初めからこの映画は言っている。だがこの映画でわかることは何一つない。この映画で得ることは何もない。
銀行家にも歯車は存在する。
そんなことは一切無視し、一方的に空売りを仕掛けたものに「結果」の視点でしか描かれない。
こんなものでわかった気になることが全く恐ろしい。
それをこの映画ははじめから確信犯的に「わかった気になってはいけない」と逃げ道を作っている。
全く卑怯な映画だ。
それに輪をかけ、相変わらずブラッド・ピットが臆面もなく、悟った風にセリフを吐く。「薄っぺらさ」が際立つシーンだ。
全く気持ち悪い。
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