「いきなり、20才。」あやしい彼女 covaxhiさんの映画レビュー(感想・評価)
いきなり、20才。
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韓国で製作され、2014年に公開された『怪しい彼女』のベースをそのまま日本でリメイク版として製作された本作。
瀬山カツが娘と口論し家出したのち、暗闇の中で照らされた大鳥写真館へ誘われたかのように入り、おめかしして撮影してもらうと、あら不思議。写真館から出るなり、いきなり強盗に遭わされるわ、異常な速さで走るわ、自分が異様な若さに驚くわで、不思議な連続の展開には脱帽した。
奇妙で不思議な物語はここから始まり、忘れかけた愛、人に愛でる想いを取り戻していく若さを得た女性・大鳥節子が奏でる素敵なお話。孫への叱咤激励、幼なじみの人との回想。娘との辛い思い出が蘇るたびに涙がこぼれながらも歌うその様子はキャストや観客の人々、多くの方々から観ても感慨深いものだと切に想う。
節子は孫の翼とともに音楽の道を歩むこととなり、日々奮闘していくが、デビューを賭けた当日、翼が不慮の事故に遭い不参加の余儀をなくされたかのように思えた。しかし、節子の後押しということもあり、最後の最後まで歌い切ると同時に観客の歓喜と拍手の渦とともに「人生は割り切った」と自負する節子が潔くて格好よかった。
事がなかったのように、節子は元のカツに戻る。
最後の最期に、次郎がカツと同じ境遇によって若返られたのには驚いた。他の人にもバトンタッチで若返っていくのは不思議でたまらなくなる。
エイプリルフールで公開された映画だということもあり、騙されながらも、笑いと感動を与えてくれたことに感謝したい。
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