「死ぬ事も忘れる事も」劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール フリントさんの映画レビュー(感想・評価)
死ぬ事も忘れる事も
現実世界でSAOのつづきをする話
原作は未読だがアニメシリーズは一応を見ていたので、時間が有ったので鑑賞
アニメ映画としてのクオリティは高いと思った。
戦闘も迫力と疾走感が有り見ていて楽しい。
物語としてはどこかで見たような設定が多く感じたが、映画としてはよくまとまっていたし、それなりの決着も見れたので良かった。
このシリーズの難点は一番最初が命がけのゲームだったのに対して次のゲームから命の緊張感が減ってしまった事だろう。
ゲームキャラクターが死ぬと本人も死ぬ、文字通りのデスゲームを経験した主人公達はちょっとやそっとじゃ動じない精神を持っている。
それをどことなく誇りにすら思っているふしがある。
命がけのゲームを経験すればどんなゲームもヌルゲーになるのは当たり前の話だ。
本作は負けても死なないのだが、SAO時代の記憶を奪われてしまう。
それはある意味死ぬに近い事だから物語としての緊張感は保てた、さらにラストバトルでは記憶を奪われる上に死ぬ。
負けられない闘いだ。
記憶=命 の構図はなかなかいい設定だと感心した。
記憶の玉をガラス容器に入れるのは「ネバーエンディングストーリー」で見た事あるが、集める理由も納得できる設定だった。
プレイヤーをおびき出すためのボス戦、SAOの設定を上手く生かした脚本は秀逸だと思った。
などと感銘を受けた所も多かったが、全体的にはあまり面白くはない。
アクションも設定もいいはずなのにどうしてか。
それはキーキャラクターのユナの存在が物語全体をぼかしてしまったからだと思う。いや設定自体は悪くない。ただ歌が多すぎる。
AIホログラムの謎の歌姫ユイ、まるでボーカロイドの様な設定の彼女が戦闘のたびに歌うのが何とも雰囲気を損なわせていると感じた。
制作側の大人の事情、作品と歌で稼ぐ方程式がアニメ界で確立しているため、無理やりねじ込まれたとしか思えないほど歌のシーンが多い。
RPGなどではよくある歌声でステータスUP効果よろしくユイの歌にも効果はあるのだが、それにしても戦闘の雰囲気を邪魔していた。
また一方のプレイヤーは命がけなのに対し大多数はペナルティのみなため、全体のゲームに対する熱量がガタガタで微妙な緊張感なのも足を引っ張ていたと思う。
ゲームで散々な目にあっている主人公達がまだゲームに執着するのはどうしてなのか、世の中ゲーム以外にもいろいろ楽しい事はあると思うのだが・・・
なんだか自分が大人になってしまったせいか昔は気にならない部分が気になり、不満な点が多々でてしまったため純粋に楽しめなかった感が否めない。
感想は見た人の分だけあるし、これで十分満足ならそれでいいと思う、映画は楽しんだ者勝ちだから。
劇中セリフより
特に無し