劇場公開日 2017年7月22日

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「ブラックユーモアあふれる人間ドラマ」君はひとりじゃない ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ブラックユーモアあふれる人間ドラマ

2017年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

知的

感動ものとして宣伝されているが、どちらかと言うとブラック・コメディ。首をつっていた男が、まだ生きていて突然あるきだしたり、霊を感知できるというセラピストが奇妙なセラピーを展開したりと、不条理劇的要素も強い。

原題は「BODY」とあるが、肉体とはなんなのかについての作品であるのは明白だ。翻って肉体以外の存在とは何なのかをも逆説的に問うている。
死体を見慣れた心が麻痺した刑事。拒食症のその娘。変わったセラピーを実施して異端扱いのセラピスト。3者の肉体と精神の関係が丹念に描かれる。

ポーランド映画というと、クシシュトフ・キェシロフスキが有名だが、監督はその影響を認めつつ脱構築するような気持ちで製作に望んでいるらしい。難解な面もあるが、ユーモアで上手く緩和している秀作。

杉本穂高