ケンとカズのレビュー・感想・評価
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ハードノワールの隠れた傑作
邦画のインディー映画なんていうのは星の数ほどある。この作品は、沢山のインディー映画に埋もれた、確かな傑作だ。もっと有名になってもいい作品。
ケンとカズを演じたカトウシンスケと毎熊克哉がかなり良い演技をしていた。演技ではなく本当に悪いことをしてる人なのかと思わせるほど、自然体でかつ狂気を感じさせる演技だった。特に目。表情で語るような演技が多くて、目力がすごかった。顔がかっこいいだけのイケメン俳優の何倍も良いと思った。本当にリアル感満載だった。
2人が殴り合うシーン、別れてからカズが母親の首を絞めるシーンなど他にも色々、胸にグッとくるシーンが多かった。ラストの「おい!早く出せよ!」というシーンはかなり感動した。
陰鬱な雰囲気がとても良かった。普段、洋画ばかり見てる人にオススメ。
よかった
全く景気が悪くて、実際社会の景気が良くても景気が悪い人はいて、この人らは社会と関係なく常に景気が悪そうだ。それで悪事に手を染めて悲惨な状況を招いているのだが、そういう流れに陥ってしまっているのが原因としか思えない。そうならないような分岐点がいくつあったとしても、そっちを常に選んでしまうのだろう。突き放したい気持ちではなく、同情的にしょうがないよねと言いたくなる。
ケンの横顔が電球のようなシルエットで、顔がかっこいいのにかわいらしかった。カズのいじめっ子面が怖い。こんな怖い顔だし、ファッションや生活圏がそうだから、そんな状況もしかたがない。お金がたくさんあったとしても大差ないのではないだろうか。生い立ちにお母さんのDVがあったせいかもしれないが、なかったとしてもセンスがそうだから変わってないのではないだろうか。
そんなように、オレは人は生きたいように生きていると思っているので、いろいろ原因や言い訳や文句があったとしてもそれもその人の選択が大きな比重を占めていると思う。そんな思いをますます強くする映画であった。
もっとシャブでらりっている場面が見たかった。ヤクザが小さい一家とは言え、人数が二人で、親分なのに自ら身を張っていてえらい。
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