ボーダーライン(2015)のレビュー・感想・評価
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怪物ベニチオ デル トロの凄みが味わえ尚且つ名手ディーキンズの生々...
怪物ベニチオ デル トロの凄みが味わえ尚且つ名手ディーキンズの生々しい映像に酔えるだけで満足、更にメキシコ麻薬戦争の容赦ない現状を体感させてくれる作りに脱帽。
まぁ何しろデルトロの重みが映画の命になってます。
問題はラスト
なぜ彼は銃を置いていったのか?
分解した意図は?時間を稼いだ?
しかも狙い易そうな駐車場を悠々と歩いて。
その間に彼女は銃を組み立てるのは当然
分かっていたはず。
つまり彼は彼女にジャッジして欲しかった?
自分のために、あるいは彼女のために。
これは全くアクション映画ではない。
理想と現実のギャップに迷い続けるドラマだ。
台詞は切り詰められており、今がどこで
何が起きているかを説明してくれる様な
甘っちろさはない。
フィクションなのだからそれで良いし、
無駄の無さと突き放した感じが清々しい。
撮影はうっとりする位に美しく、音楽も怖い。
音響の良い大きなスクリーンで観るべき。
ボーダーライン
2016年17本目の映画鑑賞。
メキシコの麻薬組織撲滅チームにスカウトされたFBI女性捜査官が、
突然放り込まれた麻薬戦争の最前線で目の当たりにする衝撃。
終始緊張感がありました。
エミリー・ブラント、
ベニチオ・デル・トロ、
ジョシュ・ブローリン、
キャスティングも良かった。
中でも、
ベニチオ・デル・トロの存在感は凄く感じた。
ちょい役ですが、「バーン・ノーティス」のジェフリー・ドノヴァンや、「ウォーキング・デッド」のジョン・バーンサルが出演していたのは良かった。
フィクション映画なので、
どこまでが事実なのかわからないが、
全てが嘘では無いと思うと恐ろしく思う。
毒を以て毒を制す
メキシコカルテルの勢力図を塗り替え秩序を取り戻すか。あるいはバカ正直に塗り潰して混沌とするか。
人道的に言えば前者のような「毒を以て毒を制す」は正義ではないのだろうけども、組織壊滅後の混沌が見えている限り、それもひとつの正義なのかなぁ、と。
無惨に殺された家族の復讐を果たすため、法を破ることも厭わない行動は個人的な正義でしかない…が、それが国益に繋がることでさも合法のようになる。このボーダーは都合の良いものだなぁ。アメリカらしい感じなのかな?
正義の境や生死の境、国境などを示しての邦題かと思うが、とうの昔に境を越えたデル・トロと、越えられるはずもない(ように映る)ブラントのボーダーは高い壁と思ったが…。
最後の抗えず苦しむ姿、精神的復讐を果たせず嘆く姿はよかった。あそこで撃ってしまうようであれば途端に安っぽくなってしまうとこだった。
【すき】
序盤の緊張感。
誘拐組織のアジトの緊迫感。壁の中の絶望。
FBI捜査官と共感する不安、不信感。
国境の渋滞での銃撃。プロの仕事。
死体を見つめるメキシコ人。
FBIがつれてこられた本当の理由。
ラストシーン。
【うーん】
暗視ゴーグル?の演出。
なんかゲームみたいで安っぽいなぁとおもっちゃった…。
アクション!アメリカ万歳!ミリタリー!なら興奮したかもだけと作風に合ってない気がしちゃって…。
もう何が正義で何が悪やら
ハラハラドキドキ、緊張感たっぷりで最後まで飽きることなく観れました。
フィクションであってフィクションじゃないメキシコの麻薬カルテル問題は実際にあるようです。
その解決方法にも驚愕、しかしアメリカらしいと言うかなんと言うか…
主役はベネチオデル・トロでしたね。
ちょっと強すぎて冷めてしまうところもありましたが…
タイトルはシカリオの方が深みがあっていいと思います。どうせこの手のタイトルは映画好きしか観ないのだから、わざわざ変えなくても…と思いました。
そもそも善悪のボーダーラインなんてないってことをこの映画は言いたいのかなと思いました。
麻薬戦争ってホントに戦争なんだなと…
メキシコ治安悪すぎ
終わり方も大好きでした。
いろいろと考えさせられてしまうわ、フィクションなので映画としても楽しめる傑作だと思います。時事ネタを扱ってるので観るなら今。
だめ!ゼッタイ!
クスリで身を滅ぼす人を、自業自得と言うのは、容易ですが、その尻拭いさせられる人達も、大変ですね。クスリの楽園コロンビアが舞台「エスコバル」。バズーカ担いだ仲買人が闊歩するメキシコから「皆殺しのバラッド」。それを水際で止めたいアメリカから、本作登場です。結局、末端価格がゼロにならない限り、警察を買い取る程の経済力は、続くのでしょう。つまり私達が、軽い気持ちでクスリに手を出すと、シルクロードならぬドラッグロードに、今日も、新鮮な死体が、ぶら下がっちゃうわけです。仕事に出たお父さんの、帰りを待つ男の子。自動小銃鳴り響く空の下、何を思うのでしょうか。ま、いずれにせよ、叩くと、粉が出てくるタレントさんに、キャンペーンしてもらうより、説得力ありますよ。だめ!ゼッタイ!。
容赦ない映画
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ただ者ではない。
「灼熱の魂」を見たとき、こんな映画見たことないと思った。「複製された男」も他とは違った。そんなヴィルヌーブ監督が撮った新作映画は見とかんとあかんと思って見た。
カメラマンはロジャー・ディーキンス。正統派の映像。
ポスターだけ見ると一見「オール・ユー・ニード・イズ・キル」に似てるけれど、比べるのが恥ずかしくなる。
容赦ない描写。
半端ない臨場感。
あのシーン撮ったカメラマン後で殺されてない?
有名な俳優は主役級の3人だけ。その3人がアメリカとメキシコの国境線に送り込まれたドキュメンタリーに見える。実際に殺人が日常的に行われている街で撮影している。
これは現在進行形の物語なのだ。
去年公開されたドキュメンタリー「皆殺しのバラッド」に似たフィクションかと思ったらスケールも臨場感もすごい作品。
「ボーダーライン」という邦題も「その善悪に境界線はあるのか」というコピーもぶっ飛ぶ。
麻薬の国のアリス
FBI誘拐即応班のチームリーダ、ケイト・メイサー(エミリー・ブラント)。
アリゾナ州フェニックス近郊の砂漠の真ん中で、事件対応をしていた。
麻薬がらみの誘拐で、急襲した民家の壁には夥しい数の凄惨な死体が埋まっていた。
対応中、組織が仕掛けた爆薬で部下の何人かが負傷してしまった。
数日後の諮問会議で、メイサーはメキシコの麻薬組織「カルテル」の壊滅のための特別チームに引き抜かれた。
リーダはマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)。
彼の傍には謎のメキシコ人アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)の姿があった・・・というハナシ。
原題の「SICARIO」というのは、スペイン語で「暗殺者」を意味する旨が冒頭でクレジットされる。
ふーん、なんだかちょっと違和感が・・・
主役のメイサーが暗殺者とは思えないし。
とすると影の主役がいるわけね、と予測して観てしまう。
つまり、エミリー・ブラント扮するメイサーは狂言廻し。
主眼は、麻薬組織に対する特別チームは「毒をもって毒を制する」という情況。
まぁ、それほど目新しい題材でもないし、それほど好みの題材でもないわけで、ちょっと漫然と観る羽目になってしまい残念。
メイサーの役どころは、「毒をもって毒を制する」という情況に放り込まれた正義漢といったところだけれど、冒頭のアリゾナでの急襲シーンでみせた気概や能力がその後発揮されることはほとんどなく、ベテランのマットとアレハンドロに振り回されるだけになってしまっている。
女性という特性は、彼女が組織の罠に陥りそうになるというエピソードがあって、ますますもっと冒頭のタフさからは遠くなってしまう。
暗視カメラ映像、サーモグラフィ映像を使ったロジャー・ディーキンスの撮影は、これらの部分よりも、ぐーんと引いたロングショットが印象に残る。
絶望・戦慄を感じさせる暴力描写などドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の演出も見どころはあるものの、期待したほどではなかったです。
<追記>
麻薬組織「カルテル」の存在を「必要悪を超えてしまった悪」として捉えているあたりは興味深い。
どこいらあたりまでが「必要」で、どこを超えると「許容できない」のか、これが主題なのだろうけれど、そこはあまり上手く描かれていないように感じました。
淡々としすぎて、、、
ちょっと寝てしまった。体調戻らず見てしまったと言うのもあるけども、、、
悪の法則もそうなんだけど世界のヤバいシステム紹介ものってあんまり乗らないんです、個人的に。
監督の過去作の「プリズナーズ」も面白かったけどあれは犯人探しもあったし。
デルトロさんはデルトロさんだなぁ、いうも顔色が悪いなぁと思うくらい。
期待値が高すぎたのかも。
ボーダーライン
上手くタイトルつけたな。普段見ないジャンルだったけど、気になったので観てみた。リアリティを感じたし、ハラハラドキドキ感は最後まで続いた。コントラバス?!とバスドラム?!みたいな重低音が映画をよく引き立ててると思った。
フアレスの街に震えた
そもそも無法地帯に
善悪の判断基準などない。
ましてや諜報機関に
そんなものあるのだろうか。
ストーリーの運びは
巻き込まれ型のミステリー。
謎が解き明かされたとき
原題の意味が浮き彫りになる。
…おいら愕然でした。
静かな作品
ドキュメンタリー風味、派手な銃撃戦やアクションを期待するなら物足りないです。ただ、その分リアリティーは十分です。
最初に、今何が起きているのかを正しく見せ、それをどうするかを淡々と見せていきます。
起きていることは間違いなく悪だが、それを解決するにはどうすればいいのか、主人公はそういった現実に打ちのめされ続ける。
よくあるテーマではありますが、そもそも上層部で方針が決定しており、主人公があまり関係できず、ただただ利用され続ける点や、麻薬カルテル側がただのヴィランではなく、家族の心配をしたりもする、一般人に近いものとして描かれているのが特色です。
万人受けするかと聞かれれば首を傾げますが、とても良い作品です。
よかった
主人公が全然活躍せず、ランボーのように活躍するのがデルトロだった。あまりに呆気なく敵の本陣に突入して皆殺しにするのでびっくりした。意外とそんなものかもしれない。
主人公を応援しているつもりで見ていたら全くその甲斐がなかった。甘いものを楽しみにしていたらしょっぱいものが口に入って来た気分。
退屈したり面白くなかったわけではないけど、今年の上半期一番楽しみにしていたため、期待外れだった。また、もっとものすごく面白くできそうな題材だっただけに残念だった。
(追記)
続編を見るに当たって見返したらめちゃくちゃ面白かった。意識高い主人公が間抜けで無様な様子ばかり見せるものだと踏まえてみると、確かにそうだし、ジョシュ・ブローリンやデル・トロが最初からほくそ笑んで接している感じがする。デル・トロが圧倒的にかっこいい。「そういうものだと踏まえて見ると最高」映画だった。
ディテールに穴あるも迫力あり!
ベネチオ・デルトロが好き…ってことで早速 鑑賞!
初っ端の音響炸裂でビックリでしたが、なかなかのオープニング。血みどろの拷問シーンの類はなかったが 南米、メキシコ、国境突破のためのトンネルなどなど。実際に そんな事件が散々起きてることがわかってる分、ストーリーはリアル、シーン全般に犯罪の凄みのようなオーラが覆いかぶさっているようで、迫力を感じる。
ラスボスの家なのに簡単に進入しちゃうのにはアレッ?って感じでしたが、その後の「神に召されちゃう」シーンは納得、日本じゃダメだろうけどね。
これぞ密入国犯罪 取締りの最前線‼︎
ヒロインも凛々しくてカワイイぞ〜♪( ´▽`)
裏と表
とても重厚な内容だった。
平たく言えば、頭がすげ変わっただけである。無秩序な悪から共生できる悪へ。
根本的た解決にはならない。
なり得ない。
そうやって世界は平穏を保っているからだ。
リアリズムがどこにあるかは分からない。
これも正義に入るのかと問われても、答えられない。
ただただ人が死んでいく。
街の中で吊るされている。
……これが今のメキシコなのかと目を疑う。
フィクションであって欲しい。
俺たちの住む世界と違いすぎる。
ボーダーラインがあるとするなら、そこにこそ、あって欲しい。
あんな世界に放り出され、生存競争を余儀なくされても日本人など瞬く間に絶滅してしまいそうだ。
きっとあの世界は絵空事ではないのだと思える。
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