「本質を理解できないと凡作となるだろう」モンスターズ 新種襲来 zolaさんの映画レビュー(感想・評価)
本質を理解できないと凡作となるだろう
クリックして本文を読む
前作『モンスターズ/地球外生命体』たった一本で『GODZILLA』の監督に大抜擢されたギャレス・エドワーズ。本作では製作総指揮にまわっているが、そのスピリットは今作も変わらず込められていた。
前作では見せないことで恐怖を描いていたが、本作も前作ほどではないがそこは制御されていた。それは同時に核心がそこにないと言う意味であり、描かれるのはやはり人間そのものである。
戦争を繰り返す人間の愚かさは「なんでオレはここにいる⁉︎」と言う台詞が雄弁に物語る。人間に対して好戦的に見えないモンスターの存在はまるで神のようでもあり、巨大化してゆくその姿は人間が持つエゴイズムの増悪そのものである。
人間は戦場で苦悩し、やがてその精神は蝕まれてゆくが、それでも無用な殺し合いは続く。神はそんな人間たちの愚行を監視するかの如く君臨するだけだ。本当のモンスターとはきっと、神から見た人間そのものではないだろうか。
コメントする