「深呼吸が大切」3月のライオン 前編 akkie246さんの映画レビュー(感想・評価)
深呼吸が大切
遅ればせながら川崎にて鑑賞。是非とも後編を見たくなる。
「3月のライオン」タイトルの由来
英国のことわざから。ことわざの内容は、三月は獅子のようにやってきて、子羊のように去って行く。という、英国の天候を表現するもの。原作者がたまたま目に止めた映画のタイトルからとったらしいです。私もこのタイトルについては、ずっと気になっていたので、今見るべき作品だったのかもしれません。
解説によると、将棋の順位戦は六月にはじまり月 1 局ずつ。三月の最終局に昇級(降級)をかけた棋士は、この漫画のタイトル通り、ライオンになるとのこと。
となると、後編も三月がクライマックスになるのかな。前編は、むしろ、捨てられた子猫のような零くんが、才能を出し始める過程が描かれていました。
18歳のプロ棋士を神木隆之介が好演。ライバルにして親友の、特殊メイクで太った染谷将太がすごく良かった。あと、後に師匠になる佐々木蔵之介がよい。
豊川、甲本、奥野の三人の棋士たちもプロギャンブラーとしての葛藤がよく出ており、素晴らしいと思いました。さらに、加瀬亮、伊藤英明という、ほかの作品ではなかなか共演することはないであろうキャスティングもこの作品をより深いものにしていると感じました。
ほかに高橋一生、前田吟、岩松了、斎木しげるさんらが出演。画面が素晴らしいのは、演出力もあるでしょうが、山本英夫さんの撮影力も大きいのでは。
女優陣は、倉科カナさんがとくに光っていました。大友監督は、あくまで男優中心のドラマが多い中、後編の展開に期待します。
家族のお葬式から始まる静かな、静かな作品です。大友監督は、役者、スタッフに恵まれていると思います。この次の十年間の次期プロジェクトも気になります。