チリの闘い 武器なき民の抵抗

劇場公開日:2025年11月21日

解説・あらすじ

「光のノスタルジア」「真珠のボタン」で知られるチリのパトリシオ・グスマン監督が、1975年から78年にかけて手がけた3部構成のドキュメンタリー。

東西冷戦下の70年代、チリでは選挙で選ばれた社会主義政権が誕生し、「反帝国主義」「平和革命」を掲げて世界的な注目を集めた。しかし、その改革路線が国内の保守層やアメリカ政府などとの間に軋轢を生み、やがて民衆の生活は困窮。73年9月11日、米国CIAの支援を受けた軍部がクーデターを起こし、サルバドール・アジェンデ大統領は自殺。陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍を中心とした軍事独裁政権が生まれる。同クーデターをきっかけにフランスへ亡命したグスマン監督が、当時のチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録した。

映画は、75年製作の第1部「ブルジョワジーの叛乱」(96分)、76年製作の第2部「クーデター」(88分)、78年製作の第3部「民衆の力」(79分)の3部作になっている。日本では2015年の山形国際ドキュメンタリー映画祭などで上映された。

2016年、3部作をあわせた263分(4時間23分)の作品「チリの闘い」として劇場公開。2025年、パトリシオ・グスマン監督の長編デビュー作「最初の年 民意が生んだ、社会主義アジェンデ政権」の日本初公開にあわせて、新たに「チリの闘い 武器なき民の抵抗」のタイトルで2Kレストア版で公開。

1975年製作/263分/G/チリ・フランス・キューバ合作
原題または英題:La batalla de Chile
配給:アップリンク
劇場公開日:2025年11月21日

その他の公開日:2016年9月10日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C) 1975, 1976, 1978 Patricio Guzmán/2K restoration and digitization with the support of the CNC (French National Centre of Cinema)

映画レビュー

4.5 チリがCIAや外部に邪魔された歴史

2025年12月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

興奮

悲しすぎる、南米には多くの国がこんな歴史を持っているだろう。
私の国も知らぬ間にいろいろ干渉されて今があるのかもしれない。

主義主張ではない、人が人らしく生きたいのはどこでも一緒。
それができない未来は見たくない。

歴史を残してくれたこの映画関係者に感謝したい。

チリ人の亡命者がパリで詩を教えていた。あの先生が今どうしているか知らないけれど
これを見てどう思うだろう。ナンテール大学で今も教鞭をとっているのだろうか。

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KSクッキー

5.0 アジェンデ政権最後の日々

2025年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

第2部 クーデター
右派の妨害、内部の考えの違いがあってもまず対話、法に則った対処をしていた政権だが、CIAと軍の一部がクーデターを起こす。

戦闘機が大統領府を空爆している。そして大統領は死亡…。 呆然とした。
軍隊って何なんだ!

第1部 ブルジョワジーの叛乱
中間層、学生、特権的労働者、運送会社、商店を使った様々な妨害がある。 貧しい人達がまず大きな恩恵を得た政治だったが、分断の深さを思う。 アメリカが、国務省、CIAを使い、経営者の教育、軍人の教育で反政権派を作っていたようだ。

「アジェンデ、アジェンデ、民衆があなたを守る!」のコールにグッと来る。 選挙やサボタージュ、煽動に屈しない政府だったから、クーデター!! 自国の利益のために手段を選ばないアメリカと、選挙で選ばれた大統領のいる大統領府を空から空爆する軍隊… 何のための選挙? 誰のための政府?

第3部 右派のテロ、ストライキ
政府を守るために働く労働者、地域組織を作り生産、流通を守る。 大統領は社会主義者、政府を支える人民戦線の得票率45%くらい、過半数ではなく議会では少数与党、軍や経営者団体、農民団体には強固な右派もいる、経済は資本主義、大きな矛盾を抱えている。
働く、生産を止めない、そして国と政権を守ると、誇り高い労働者たちの姿にグッときた。

やっと3本観れた!
選挙で政権が替わっても、アメリカが介入して最後には武力まで使って、クーデターで政権転覆させる。 けれど、民主主義は鍛えられてこの国の深いところに残っている。

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momoko.n

4.0 まず第三部を。

2016年10月9日
Androidアプリから投稿

『チリの闘い 第三部 民衆の力』 深刻な状況だ、と彼らは言う。しかしその顔は絶望や諦念には染まっておらず、むしろ誇りが宿っている。彼らにとっての闘いとは、横に連帯し通常の労働に従事することなのだ。演説中に話者から聴衆にフォーカスすることから明らかに、これは史上最高のジョン・ドゥ映画である。ストを終演させたあとの祝祭感。

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花火