「デスノート?」デスノート Light up the NEW world むぎとらさんの映画レビュー(感想・評価)
デスノート?
初めに見る上で知っておくべきことがあります。これはデスノートではないでしょう…デスノート風刑事映画です。デスノート特有の心理戦は無いに等しいです。ただ、デスノート風刑事映画として見るのならば、演技・ストーリーのどちらも普通に面白いです。私は原作のファンですが、この作品はあくまでも前作の実写デスノートの続きなのでそこを考慮すればさほど不満には感じないかと思います。不満が多いのも、前評判や原作との差の大きさ、周囲の反応に流されがちなのではないかと思います。様々なポイントを簡単にまとめたいと思います。
・面白かった点
1.全体のストーリーは面白いです。ハラハラする所もあったしシリアスな内容なので集中出来れば見いれると思います。
2.デスノートでは必ず死がまとわりつきます。松田さんやミサミサなどが死んでしまうシーンはやはり悲しいです。けど、そういうところ含めて面白いです。
3.キャラの好みや違和感は別にして、演技そのものはやはり俳優として臨場感を味わうには良いものだったと思います。
4.音楽がよかったです。ストーリーに適しており邪魔をしないで共存してたように感じます。
・微妙な点、面白くない点
1.死神が人間に協力的なところです。リュークは月にすら非協力的なのでもう少し距離をとった対応にすべきだと思いました。また、死神大王のキラの後継者探しです。死神大王にそんな無駄なことしてほしくないです。
2.最初に言いましたが、原作だとしても前作だとしても、デスノートの醍醐味は心理戦です。今作はこの点で大きく欠落していると言えます。竜崎の「ノートが銃に勝てるわけねぇだろ」のセリフは最低と言えるでしょう。また、月の顔を出すメッセージはナンセンスです。月ならば可能な限り顔を出すようなリスクは犯さないでしょう。月がキラの正体ということは警察の一部しか知らないという設定のようでしたし。
3.ストーリーとキャラの兼ね合いがイマイチな部分があります。Lの後継者・竜崎はもう少し頭を使った策を練ってください。また、演技に不満はありませんが、船越英一郎さんや川栄李奈さんのシーンは無駄なのでは…ならば、魅上照などのキャラを出して、警察vs.紫苑vs.魅上の三つ巴も面白いかと。あと、月の遺伝子のくだりは本当にいらないです。その部分は確実につまらないです。月ならば自分が神になることを望むので後継者のことは考えないと思います。月関係では、約束の場所と言う設定も少し分かりにくいです。そのシーンを使いたいなら月の過去を掘り返して分かりやすく感情移入出来るようにしてほしいです。
不満の方が長文になってしまいましたが、全体的には面白いです。ただ、、デスノートの名前を使うならば心理戦をメインにしたストーリーにしてほしいです。1作でまとめられないならば前後半にすればいいと思います。大人の都合があるのでしょうが…
続編がある雰囲気で終わったのですが、私は楽しみにしています。ただ、三島が竜崎として生きるのならばもう少し覚悟と色々な人の死の悲しみを演出してほしかったです。キラとして生きるならば、月の「計画通り」のセリフより、三島に言ってもらいたかったかなと思います。ミステリアスな最後は見ものです。