「無能な竜崎、謎に凄腕な紫苑」デスノート Light up the NEW world 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
無能な竜崎、謎に凄腕な紫苑
「デスノート」見てまいりました。一作目は最高にエキサイティングな作品だと思いますけど、二作目とLのスピンオフはイマイチだった記憶があります。今作はそんなデスノートシリーズでも一番の駄作な気がしました…。
まず作り手の方々は、デスノートがどういうもので、どうして人気があるのかを理解していないんだと感じました。その理由がこれから述べる今作の欠点の数々です。
これは今作の致命的な部分だと思うんですけど、キラとエル、キラと東出の直接対決がほとんどないんですよ。今作で延々と騙し合いも何もないストーリーを見せられて気づいたけど、やっぱりデスノートの面白さはキラとエルの頭脳戦なんだなって。
それでいて池松竜崎の凄さが分からないし、菅田キラが凄腕なのかの説明もない。松ケン竜崎が凄いのは分かる。けど、竜崎の後継者=凄いという理屈を我々観客は持ち合わせていません。松ケン竜崎がキラを追い詰める場面はすごく爽快でしたけど、池松竜崎はチャチャを入れるだけで捜査にはクソの役にも立ってない。
細かい部分の端折りが酷いのは今作の特徴だけど、特に菅田将暉周りはダメでしょ。どうやって他のノートを探した?どうやって戸田恵梨香の車に乗った?そしてどうやって外に出た?恐らくこれを1人でやってのけた菅田キラはホントにすごいよ。
これも細かいけど、菅田将暉がデスノートを千切ってそれを置き手紙にしてる。それをやったら、菅田将暉はすごく不利になりますよね。だって単純に、死神を目視できる人が増えるわけですから。少なくとも藤原竜也は、千切ったデスノートはかなり慎重に取り扱ってましたよね。バスの中でも急いで拾ってたし。
こんな感じで、原作のデスノートにあれやこれやと”面白そうな要素”を足してった結果がこれです。冒頭の外国のシーンはまったく不要だけど、その次の東出昌大の追跡劇とかはスゴく面白かった。けど、そこで急に現れて池松竜崎がバンッとやるのもよくないよね。こちらが期待している竜崎はあれではないし、世界的な大探偵がする事じゃないでしょ。
あとこれだけ言わせてください。
東出三島は恐らく極刑確実だろうに、すんなり出れてよかったね。ホントに嬉しい。ホントに。はい。
とても残念です。せっかく豪華と言われるキャストを揃えてるし、予算もそれなりにあったと思うし、しっかり考えて欲しい。今後明かされるであろう藤原竜也の計画とやらに期待するしかない。