「吹き替えの声がすごい男性」リリーのすべて Normanさんの映画レビュー(感想・評価)
吹き替えの声がすごい男性
もともとすごく愛し合っていたはずの夫婦が
少しのきっかけで、ここまで変わっていくなんて驚きました。
奥様は最初少し気づいていて、気づかせたくてより一層女装をさせてるのかと思うくらいどんどん女装させるので、?!って思っていたら本気で遊びの気持ちだったんですね。
旦那様は自分の本当の気持ち、姿、感情に気づき徐々に全ての物事が変わっていく様が出てました。
手術をするために1人、列車に乗る旦那様を見送る奥様の顔がなんとも言えませんでした。
ここまで理解のある奥様は本当に旦那様のことを愛していたんだなと思いました。
泣いているリリーを手を取り無言で涙を流す奥様のシーンは涙が出てしまいました。
過去、子供の頃に旦那様とキスをしたというハンスがやたらとイケメンで、イケメンだなぁおいの気持ちでした。笑
リリーとして生きることになるなんて、あの頃は知らなかった夫婦が、尊重しあって、この時代にここまで動いたという話がすごく心を打たれました。
見た目は男性、心は女性、だけど奥様を本当に愛していたリリー。
愛してるには色んな形があるのだなと思いました。
恋愛だけではない愛してるが奥様へリリーはあるのが見ててわかりました。
色んな感情がある中で、過ごす2人の関係がすごく素敵でした。
そしてリリーが化粧すると本当にお顔立ちが女性ですごいなぁと思いました。
アイナーとリリー。
きっと今の時代よりも受け入れてくれる人が少ない中で、自分を隠さず進んだリリーは素敵でした。
リリーを理解したいけど、アイナーを愛していて、受け止めたい気持ちと受け止めきれていない感情がある奥様がなんとももどかしくて胸が痛かったです。
その気持ちを状況を全て理解してくれているハンスに気持ちが行くのもよくわかりました。
そして純粋に女性になりたいという気持ちから手術に打ち込んだリリーは、それが原因で死に至ってしまいます。
なんとも悲しい結末で、本当に悲しいですが、みてよかったと思いました、いい作品でした。
アイナーが描いていたあの場所の上の崖で、スカーフが飛んだシーンで、飛ばせてあげて。と言うところが印象に残りました。
リリー役の方が見れば見るほどどんどん女性にしか見えなくなるのが本当に演技が上手いのがわかります。
ずっとリリーの肖像画を書き続けたところも愛を感じました。
実話と思うとすごく胸が打たれる作品でした。