「しょーもないイケメンの言いなりになんてならない」オオカミ少女と黒王子 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
しょーもないイケメンの言いなりになんてならない
今流行りのドS王子の代表的とも言える人気少女コミックの映画化。
あらすじは割愛。女の子の妄想を駆り立てる“ファンタジー”。
鑑賞の一番の理由は、言うまでもなく二階堂ふみ。
この手の作品に出るのが珍しい!
制服姿、ウブで健気な女の子役が堪らぬほど可愛いぜ。
さて、本作の一番の見所は黒王子の超が付くほどのドSっぷりな訳だけど…
コイツ、クソ最低じゃね!?
爽やかなイケメン面で相手の弱味につけこみ、女心を散々弄ぶ。
絶対服従。相手を犬呼ばわり。
何様のつもり!?
で、実は優しい一面があって…って、ご都合主義も甚だしい。
イケメンがもう一人。
コイツ曰く、「女の子のアドレスを300件持ってる。300倍人生を楽しんでる」
…コレ、爆笑ポイントだよね!?
つまり、劇中出てくるイケメンはしょーもないのばっか。
そんなのに比べたら、勇気振り絞った日下部君の方がずっとカッコいい。
黒王子が女の子を差別する原因になった理由は?
母親不在? 上回るドSの姉貴? 昔飼ってて亡くした愛犬?
伏線みたいなのを張っといて、後々描かれるのかと思いきや、描かれない。
って言うか、理由ねーのかよ! びっくりだわ!
他のレビュー見ても、山崎くんカッコいい~とか、キュンキュンする~とか、そういうのばっかり。
ま、そういう話なんだし、いちいち目くじら立てる自分も自分だけど、要は作品を上っ面しか見てないって事。
何か、作品を皮肉ってるような…。
本当にこんなのが女の子の憧れなの!?
だとしたらもう、病気だわ…。
もし現実(リアル)でドS男に服従させられたら、「あ、このシチュエーションって、黒崎くんやオオカミ少女と同じ…!」って喜んでいられる…?
そもそもは嘘ついたオオカミ少女が悪い。
でも、何でそんな嘘ついたのか。
学園ヒエラルキー、怖っ…。
まあでも、ビジュアル面は「黒崎くん~」の方だけど、中身の見易さはこっちだったかな。