「いい色ではなかった」四月は君の嘘 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
いい色ではなかった
出演作続く広瀬すずと山崎賢人の待望(?)の顔合わせで、人気コミックを実写映画化。
原作もアニメも未見と言うより、全く知らず。
公生は天才高校生ピアニストだったが、ピアノの師であった母の死がきっかけで演奏中にピアノの音が聞こえなくなる症状に苦しんでいた。
そんな時、天真爛漫なヴァイオリニストのかをりと出会い…。
演奏シーンの臨場感は見事。
二人共相当ピアノもヴァイオリンも練習したであろう。
特に広瀬すず演じるかをりの、譜面にも型にもハマらない大胆にして自由なヴァイオリン演奏は魅せるものがある。
原作が少女コミックなので、淡く切ない恋愛模様。
公生はやがてかをりに惹かれていく。
椿は本当は公生が好き。
かをりは渡が好き。
そんな恋模様を描きつつ、かをりの影響を受けて公生は再びピアノと向き合うようになる。
音楽×再起×恋愛の爽やかな青春ストーリーと思ったら、何だ、お決まりの難病モノじゃないか…。
タイトルにも付けられている“嘘”。ラストの手紙で明かされる。
ここで感動出来るか否か、作品の肝となるのだが…
かをりの一途な想いは充分切なさと胸打つものに足りうる。
彼女の抱えてるものも充分分からんでもないが、でもよくよく考えれば、かなりワガママな策士で、ダシに使われた椿と渡が可哀想…。
と言うか、「いま、会いにゆきます」にちょっと似てるような…。
広瀬すずや石井杏奈はキュートに好演。
山崎の漫画実写出演はもういいよ…。
この手の少女漫画実写映画も見ればそれなりに面白いのもあるが、本作は個人的に、カラフルな色ではなく、いい色ではなかった。
監督誰かと思ったら、少女漫画実写映画で最も苦手な「僕の初恋をキミに捧ぐ」「潔く柔く」の新城毅彦だった…。