レヴェナント 蘇えりし者のレビュー・感想・評価
全511件中、501~511件目を表示
ディカプリオ 受賞し者
祝!レオナルド・ディカプリオ、アカデミー主演男優賞!
初ノミネート「ギルバート・グレイブ」から実に22年越しの悲願。
「タイタニック」では一人だけノミネートされず、オスカーに嫌われてるなんてマスコミに勝手に言いふらされたけど、以後も3度ノミネートされ、本当はオスカーに好かれている事は映画好きなら誰もが知っている。
受賞出来る実力は充分。ただ、チャンスが無かっただけ。
そして今回、最大のチャンスが回ってきたのだ!
19世紀、裏切りで息子を殺され、山奥に置き去りにされた男のサバイバルと復讐。
レオの演技は圧巻の一言。
ハードだったと語る極寒の地での撮影。
地面を這いつくばり、泥だらけになり、傷だらけになり、生肉生魚を食らい、川を流され、崖から落ち…。
内に宿したメラメラと燃え上がる復讐の炎。
苦しみ、悲しみ、憎しみ、凄まじい生命力、精神力、そして息子への深い愛を、全身全霊を込めて体現。
これほどの体当たり熱演を見せられたら、ぐうの音も出ない。
別に一番好きなハリウッドスターはレオという訳でもないが、いつ頃からか逞しく男臭くなった今のレオは「タイタニック」の頃よりずっと好きだ。
作品はかなりのヘビー級。生々しいシーンも多く、好き嫌いは分かれそう。
身の毛もよだつクマの襲撃シーン。自分が襲われているような、クマに襲われるとはこんなにも恐ろしいのかとゾッと体感させられる。
身体中を裂かれ、瀕死の重傷。
そんな身動き出来ない状態で、卑屈な男により目の前で息子は殺された。
全てを失った。
見棄てられた。
男は、一度死んだ。
…が、男は死を抗った。
死の淵から蘇った。
何も無い僻地をさまよう。憎しみだけを追い求めて。
極限の状況下で、それは強靭なものになっていく。野獣のように。
トム・ハーディ演じる仇に人の醜悪が集約されているが、彼に立ち向かえなかった若き男も、見棄てる事を決断し彼らに最期を見届けるよう命じた隊長も同罪。
この憎しみ。
この悲しみ。
目的を遂げられたとしても、男に救済はあるのか。
坂本龍一の音楽が作品を荘厳に包み込む。
3年連続の快挙となったエマニュエル・ルベツキの撮影。
大自然の圧倒的な美しさ、厳しさを余す所無く捉え、映像詩と呼ぶに相応しい。
2年連続の監督賞となったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。
テレンス・マリックを彷彿させる今回の演出はもはや巨匠の風格で、スリリングかつ重厚に160分近い長尺を一気に見せ切った。「バードマン」より気に入った。
(ここから急に砕けますが…)
でも、監督賞はジョージ・ミラーに獲って欲しかったんだよねぇ…。
それか、去年はリチャード・リンクレイターに…って、今更愚痴っても仕方ないんだけど。
熊が怖すぎる((( ;゚Д゚)))
いや~、とにかく「凄かった」!
冒頭からグロッキーですが、
一番残虐性が高いシーンはやはり
レオ様がグリズリーに襲われるシーン。
グロは割と平気な方ですがこれは結構きつかった…。
熊の怖さを認識しました。熊に襲われる時ってあんな感じなんだろうなぁ。
怖すぎました。グロが駄目な方は観ない方がいいかも…。かなりリアルです。
そしてレオ様の演技に圧倒されました、さすがです。本当に凄かったです!
極寒に耐える為、馬の中に入って寝るなど、
なるほど思えるシーンもあり。
退屈なシーンもほぼなく、中身の濃い映画だと思います。
これが実話とは…。すごすぎる人生です。。
鬼気迫るリアルさ!!!
上映時間2時間30分、
上映中体感時間2時間
上映後の体感時間3時間くらい。
何が言いたいかというとぐったりする。
つまりそういうことだ。
見所その1はやはりディカプリオの演技!
作品の冒頭に熊に襲われ瀕死の重傷を負うので
前半はほぼ息遣いだけでしか喋らないのですが
なんというか、これだけで御飯がいける。
鬼気迫る演技に裏付けされた素晴らしいリアルさです。御飯おかわり。
見所その2は圧倒的スケールの風景描写ですね。
どうせ3Dで起こしてるんだろとかそういうことは別にどうでもいい。
ただただ、美しい。
どうか邦画よ、ここまで追い付いてきてくれ。
見所その3。
音楽。
坂本龍一(さんがどこまで関わってるのかは分からないが)の織り成す実に重厚な音楽テイスト。
作品観をぶち壊すような音楽一切ありません。
見事にマッチしております。
デメリットとしては
・2時間36分の上映時間
(上映前には必ずトイレいきましょう)
・R15指定の残酷描写がやや多い事
(熊に襲われ全身血だらけ、馬の内臓を剥いでその馬で…)
・展開はやや遅め、非常にゆっくりと進んでいきます
ぐらいかな。
何れも、観たいという気持ちがあれば特に気になりません。
最後に。
DOLBY-ATMOS表記があったのに
ATMOSスクリーンで一回もやらない映画館…
潰れればいいって思うな!仕方無いけど…。
全く新しいディカプリオを見れた気がする。
「レヴェナント 蘇えりし者」字幕版で鑑賞。
最初は観るつもりはなかったのですが、アカデミー賞を受賞したと知ったので、観に行きましたw
感想は、面白いというより、凄かったの一言につきます。
レオナルド・ディカプリオの作品はいくつか観たことありますが、この作品は、全く新しいディカプリオを見れたような気がしました。
そして、なんといってもカメラワーク。
「バードマン」みたいにずーとワンシーンのみ上映されてましたが、今回は、アクションシーンがほぼワンカットでした。ホントに自分が映画の中にいるような感じがして、凄かったですw
あと、ディカプリオがグリズリーに襲われるシーンがとても迫力がありました。鼻息、ヨダレが、非常にリアルでしたし、ディカプリオの演技が良かった。(^^)
「マッド・マックス」で主演されてたトム・ハーディは、今回は、仲間を見捨て、グラスの息子のホークを殺害するというとんでもない悪党を演じてました。
とにかくクソ野郎です。(笑) 平気で仲間を見捨てて、息子まで殺害するとは、、
これ、真実なんですよね? いやぁ~信じられませんw
始まってから少々、物語の全体像が掴めにくいですが、だんだんと掴めるようになりました。
映像、ワンカットのアクションシーン、グリズリー、ディカプリオのリアルな瀕死の演技、グロシーンがもう、全体的に非常にリアルてした。
これはアカデミー賞受賞してもおかしくないです!w
ディカプリオ最高!!\(^o^)/
おかわりはいらないです。
オスカー受賞が期待されていたレオが主演ということで、オスカー前哨戦のゴールデングローブあたりからやたらと騒がれてたこの映画。実際彼の演技は文句無しで主演男優賞受賞に値する名演ではあるが、映画としてまた見たいなと思う作品では正直ない。つまり、ディカプリオが主演だからという安直な理由で、デートとかで見に行ったりとかは全くオススメできない映画です。
土地を巡る争いや、人々の戦いが自然のスケールにおいてちっぽけでありながら、それも自然の一部であるという話なのはなんとなくわかるが。全体的にあまりにもリアルかつメタファーにあふれていて、観客を置いて行っている感が否めない。サバイバルもしくはリベンジ映画の脚本としてはあまり目新しいところはないし、暴力的なシーン以外に観客の緊張を誘うシーンがあまりないから、退屈で長い。
照明無しの自然光のみでの撮影や、極寒かつ撮影困難な状況の中でのシューティングの中で、ここまでの映像美と「作品」を作り上げた中での監督賞と撮影賞の受賞は妥当。ただ映画としてのボトムラインの「観ることでの心地好さ」みたいなのを忘れすぎていて、別に見ても見なくてもどっちでもいいかなと。
アメリカにいますが、ゴールデングローブ/オスカーの受賞をきっかけに見に行った多くの友人は、「おかわりはいりません。」という感じです。
これはおもしろい!!!!!!
念願のアガデミー主演男優賞
体重が300キロもある大熊が無防備におなかを上にして、すやすやと眠っている。そのおなかに顔をうずめて熊の匂いを胸いっぱい吸い込んでみたら、どんなに幸せな気持ちになれるだろうか。写真家、星野道夫は、地元の青年たち熊の生態調査のために冬眠中の熊の穴の中に入り、熊の健康状態を調べていた。時として空腹で眠りの浅い熊が目を覚ましたら、大惨事になるところだ。とても危険な調査で一刻も早く仕事を終えなければならない。でもその場で彼は去りがたくて思わず、熊のおなかに顔をうずめて深呼吸する。暖かいおなかから干し草の香りと、柔らかい野生動物の体臭がしたという。その彼の姿がありありと想像できて、もしそんな幸運に恵まれたら、きっと同じことをしただろうと思う。星野道夫のエッセイは、極北の空気のように乾いていて、ブルーがかった氷の色がする。彼はアラスカの写真をいくつも撮影していて、空気に様々な美しい色があることを教えてくれた。アラスカ極北の映画をみていて、星野道夫さんのエッセイと写真集を思い出した。彼は、エスキモーの国、ラップランドが大好きで、たくさんの美しい作品を残したが、熊に襲われて亡くなった。今年は彼の死から20年目にあたる。
映画「レラヴァント 蘇りしもの」は、そんな極北の淡い光と、ブルーに近い冷たい空気が映画の中でよく再現されていた。
大熊と戦って生還した男が、理不尽に息子を殺されて、復讐することに命を懸けるというお話。いつも映画界に新しい話題を提供してきたメキシコ人のアルハンドル ゴンザレス イリャリトウ監督、エマニュエル’ルベッキが撮影監督をしている作品。彼らは撮影技術の壁をいつもぶち破る革命児でもある。
ルベッキは、「ゼロ グラビテイ」で 宇宙空間を作り出すために、照明装置のついた巨大な箱を作り、その中で演技する役者がいっさい影ができない空間を作り出してカメラを回した。そこでリアルな宇宙遊泳を撮影することを成功させた。
「バードマン」では、役者を酷使するカメラの長まわしで、従来のやり直しのきく撮影の仕方をあえて拒否して、限りなく舞台に近い映画を作ってくれた。
今回の映画では、照明をいっさい使わずに自然のありのままの採光だけでカメラを回した。撮影装置や設備を効果を出すために使わずに、あえて手間暇をかけて、日照時間の少ない極北の自然光だけでフイルムを撮影した。だからフイルム全体が、くすんだブルーで何とも言えない氷の世界の美しさに満ちている。空気が寒さのために凍って霧が降っている。そんな画面に音楽が実によくかぶさっている。坂本龍一が音楽を担当しているが、音楽だけでなく、雪解けの水の流れる音、風が揺さぶる木々の音、人の呼吸する音などが効果的に使われている。男の荒い呼吸音で映画が始まり、その荒々しい呼吸が止まるところで映画が終わる。
零下数十度の厳しい冬のアラスカ、人の生きることができる極限で、スタントマンなしでレオナルド デ カプリオが好演している。厳しい自然、暴力的な開拓者たち、先住民族の土地への侵略、無法地帯の状況を強い男だけが生き残る。究極のサバイバル。
監督がイニャリトウと、ルベッキで、主演がレオナルド デ カプリオだというだけで、この映画は観る価値がある。このような極地で熊と戦った男だけが、自分が殺した熊の毛皮を羽織ることができる。熊との死闘で生き残った男の、死の床に敷かれるのはその毛皮だ。そしてたくましく生き残った男が身にまとうのもその毛皮だ。うらやましくても横取りなどできない。誇らしく大熊の毛皮を最後まで身から離そうとしない、立派な毛皮を着たデ カプリオが男らしい。ストーリーは単純だが、映像が美しい。
この映画でデ カプリオは、英国アカデミー賞主演男優賞と、ゴールデングローブ主演男優賞と、オスカーで主演男優賞を遂に獲得した。この人ほどハリウッドの映画興行に貢献している役者はあまり居ない。1997年若干22歳でジェームス キャメロン監督の不朽の名作「タイタニック」を主演し、ハリウッド前代未聞の興行成績を記録した。数字では全米6億ドル、世界で18億3500万ドルを稼ぎ映画史上最高の世界興行収入を記録して、ギネスブックにも登録されている。作品は11部門でアカデミー賞を受賞したが、デ カプリオに何の賞も与えられなかった。その後、「ギャング オブ ニューヨーク」(2002)、「キャッチミー イフ ユーキャン」(2002)、「アビエーター」(2004)、「ブラック ダイヤモンド」(2006)、「シャッターアイランド」(2010)、「インセプション」(2010)、「Jエドガー」(2011)、「華麗なるギャツビー」(2013)、「ウオルフ オブ ウォールストリート」(2013)など、次々と映画をヒットさせてきたが、彼は毎年話題になるだけで、これまで一度としてアカデミー主演男優賞を与えられることはなかった。今回は、遅すぎた受賞。でもとにかく、やっと念願のオスカー主演男優賞が与えられて良かった。
今年のアカデミー賞は、2月28日、ハリウッドのドルビー劇場で発表されたが、レオナルド デカプリオが主演男優賞を受賞した瞬間、会場の人々は、スタンでイングオベーションで彼の受賞を祝福した。本人は本当に嬉しそうに、この映画によって環境破壊と地球の温暖化についての関心と理解が深まることを願う。この賞を世界中の先住民族の人々への文化と歴史に対する尊敬とリスペクトとともに捧げたい。いう内容のスピーチをした。
今年のアカデミー賞は、候補作が挙げられた時点で、「ぺイル、メイル」と、白人で男性中心の選考で偏っていると批判されていた。それで司会を黒人のクリス ロックにしたり、ショーの合間のパフォーマンスに黒人歌手を多用するなど名誉の回復に一生懸命だった。 また、受賞の合間にステージで、レディガガが、「TILL HAPPEN TO YOU」をレイプの体験者サバイバー達とともに歌ったパフォーマンスは、会場を圧倒し満場のスタンでイングオベーションで賞賛されていた。アカデミー賞も、ただのお祭りから、まともに政治的になってきたものだ。
ともかく、レオナルド デカプリオがこの映画で、主演男優賞を受賞したのは妥当デ、良かった。
イニャリトゥxルベツキによる白魔術
極寒の大地で奇跡的に一命を取り留めた男のサバイバル。なんか「オデッセイ」に似ています。しかしこの物語は「復讐の物語」。「オデッセイ」には存在していなかった「敵役」がいます。
それにしても映画の濃度が圧倒的です。重い、深い、痛い。
そして、ルベツキのカメラがまた凄い。前へ後へ、右へ左へ、上へ下へ、そしてディカプリオの周りをぐるぐると、とにかく動く動く。
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督と撮影監督のエマニュエル・ルベツキは、撮影にあたって「3つのルール」を決めたそうです。(1)主人公の旅の自然な流れを維持するため、時系列に沿って撮影を進めること。(2) 当時存在していなかった人工照明を使わず、太陽光と火による光だけを使って撮影すること。(3)「バードマン」で有名になった長回しの撮影方法を、まったく違う効果を狙って利用すること。
太陽光と火の明かりだけで撮影するだなんて、まるでテレンス・マリックじゃないですか!と思ったら、撮影監督エマニュエル・ルベツキは、「ニュー・ワールド」「ツリー・オブ・ライフ」「トゥ・ザ・ワンダー」と、21世紀に入ってからのマリック監督作3本で撮影を担当していたのでした。なるほどな〜。
何というか、凡百の映画人とは映画作りのレベルが違うと感じます。ここを超えようというとてつもなく高いハードルを設定し、産みの苦しみにもがきながらもそこを見事に超えてきている映画。そんな風に感じます。
「バードマン」が黒魔術だとしたら、「レヴェナント」は白魔術ですね。坂本龍一の音楽にもシビれます。
全511件中、501~511件目を表示





