劇場公開日 2016年4月22日

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「自然の畏怖と人間の生きる力」レヴェナント 蘇えりし者 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自然の畏怖と人間の生きる力

2019年7月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1823年、毛皮ハンター一団がアメリカ西部の未開拓地を進んでいる最中に先住民に襲撃されるところから始まる話。ディカプリオ演じる、ヒュー・グラスは実在の人物で、実話を基にした映画。

「愛する息子を奪われた父の復讐」などと書かれた作品紹介を見ましたが、私自身は父子の愛など、そういった点にはほとんど感情移入できませんでした。大自然のスケールというか、自然の畏怖に圧倒されっぱなしで、自然の中の一部である人間が、ここまで生きようとした姿(生命力)をただ唖然と見つめるばかりでした。過酷な自然の中で、いかに人間が死なずに生き抜いたかということに感動を覚えるものであって、ストーリーで人を惹きつけるものではないと思います。監督の映像、撮影、演出、出演者やスタッフの根性なども半端じゃないと思います。

違和感があるとすれば、グラスの回復が早すぎるということかもしれません。映画の中では、どれだけ日にちが経ったかというのは明確にしておりませんが、特にラスト、瀕死の状態で戻ってきたのに、すぐに敵討ちに向かうというのは、ちょっとなあ……。

あと、ディカプリオが童顔であるせいか、息子と一緒にいても父親らしく見えなかったですし、トム・ハーディの方が年下のはずなのに、トムの方がおっさんぽく見えました。

もう一度、観賞したい気持ちはあるものの、やはり、これだけの映画なので、鑑賞後、ドッと疲れが出ました。自宅で52インチのTV画面で見ましたが、本物のスクリーンで観ていたら、感動が大きかったものの、圧倒されて疲労感がもっと凄かったかもしれません。

余談ですが、
スケールもストーリーも時代背景も違いますが、厳寒の中、極限状態を生き抜いたという『マイナス21℃』という映画も思い出しました。こちらも実話がベースです。

mitty