「迫真ある映画」レヴェナント 蘇えりし者 サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
迫真ある映画
ストーリーは実に単純。息子を殺された満身創痍の男が復讐のためにとにかく生き延びる話。展開も単純で、伏線もどんでん返しもない。ずっと雪山で絵も映えるところはない。
しかし息遣いを間近に感じるこの迫真さはなんだろうか。予告通りディカプリオがグリズリーに襲われてひん死の重体となる。その後も話の半分以上を満身創痍で息も絶え絶えな状態でいるのだが、本当にひん死の人間が目の前にいるかのように感じられた。襲いくるグリズリーも含めて登場人物はすべてそう、あの自然あの生活で生きている人たちをそのまま抜き出してきたようなリアリティを感じた。
鑑賞者のためによくある背景の説明もせず、行動の正当性をしゃべらせたりもしない。映画のご都合主義を一切省いたものだった。
ストーリーを楽しみたい人にはお勧めできない。絵はずっと地味で、ここぞ!というシーンも特にないからだ。しかし映画館で、大きな映像と良質な音響で見るべき作品。
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