「偉大なる父と屈折した息子のアイデンティティー」クリード チャンプを継ぐ男 としぱぱさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大なる父と屈折した息子のアイデンティティー
私はスポ魂映画、大好きです。
年代的にもロッキーシリーズははまった世代だし
スタローンのベタな演技にも前向きに捉えている。
そんなスタローンがロッキー以来のアカデミー賞
ノミネート、これは見るしか無いでしょう。
ストーリーもクリードことアドニスの内面の葛藤や
悩みを深く印象的に描かれてあり素晴らしい。
偉大なるチャンピオンの愛人の子として生まれ
母と死別。ぐれて鑑別所送り。
それを救ったチャンピオンの正妻であり後の
継母となったメアリー・アン。
なかなか愛人の子を養子にするのは難しい
と普通なら感じるがメアリー・アン演じる
フィリシア・ラシャドの愛情溢れる表情が
それを感じさせない。
それ故に大学を出て一般企業に就職も脈々と
流れるチャンピオンの血が抑えきれずに
闘いのフィールドに踏み込んで行く。
アドニスは父の愛を知らなかったから
自分は何の為に生まれたのか?
いわばアイデンティティーを探す為に
ボクシングにおける偉大なる父の後を
追いかけて行く。
ラストシーンでのアドニスが語る想いが
思いっきり涙を誘う。
自分は産まれてきて良かったんだ、父との
絆がやっと繋がり感動のエンディング。
随所、随所にロッキーのコネタが挟まり
ファンにはたまらない作りとなっていた。
29才の監督恐るべし。
単純にSWやスタトレ、マッドマックスみたいな
リブートではなくスピンオフ的な作りが成功の
秘訣かもしれません。
※マッドマックスはすきですが。
んでもってこの作品が良かった点
・ボクシング映画としてはロッキーより上質
・スタローンのヨレヨレの演技
※エクスペンタブルズとは真逆
・偉大なる父、偉大なる作品へのオマージュ
・脚本
良くなかった点
・コンラン、体型チャンピオンじゃないな。
・ライトヘビーじゃなくない?ミドルクラスでは?
・無意味なバイクシーン
だらだらと書いてきたが久しぶりの感動作品。
m(_ _)mだから続編はなしでお願い。
邦題がクソみたいな作品おおいけどこの作品は正解。
チャンプの血に震えるべし!
熱いレビューからも伝わってきます(^^)
自分も昨年末劇場で観て、SWより大満足でした!
スタローンのキャリアベストの名演に心揺さぶられました。
オスカー獲って欲しかった…。