劇場公開日 2016年6月1日

  • 予告編を見る

「スタイリッシュおふざけアクション」デッドプール dee909さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スタイリッシュおふざけアクション

2020年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

こんなにふざけていて下品で子供に見せるのも憚られるような、キュートでかっこいいヒーローが今までいただろうか?

最近のハリウッドヒーロー映画は、ヒーローが深い影を背負っていて、自己の内面と戦ったり葛藤したり、という苦悩と共に成長する姿を描く部分が多いストイックなものも目立ちますが(特に私の好きなクリストファー・ノーラン監督作品など)、それらを肉汁が滴るこってりしたビーフステーキに例えるなら、たまにはデップーのようなスィーツに相当するものがないと、幾ら美味しくても数は食べられません。

20世紀のハリウッド映画というとバック・トゥ・ザ・フューチャーとかビバリーヒルズコップとか(ハリウッド映画ではないが、アメコミテイストの漫画「コブラ」とか)とか、ジムキャリーの出世作のマスクとか、おふざけと軽いノリが中心にありつつ、決めるところは決める、という作品が多く、その雰囲気が好きだったのですが、久々に21世紀の新作映画でそういったテイストを味わえた気がします。

主人公ウェイドがデッドプールへとなった生い立ちだけ注目すると、確かにかなりヘビーな背景があるのですが、そこは彼の持ち前のキャラクターとコメディタッチでそれを中和し、不死身となった肉体を駆使した派手なアクションで敵をばったばった薙ぎ倒して行くのでスカっとします。

日本語吹き替えで見ましたが、コメディのやりとりも一部ジャパナイズされつつ、全力でふざけていて最高です。昔のアニメのトランスフォーマーや亀忍者もこんなふざけた翻訳入れてスタッフが楽しそうだったよなあ、なんて思いつつ笑いながら楽しみました。メタ視点でちょいちょい他の映画や音楽ネタをコントでハメこんでくるところもニヤリとさせられます。最近のマーベル映画定番のエンドロールの後にちょっとだけ入っているシーンもお見逃しなく。

そういえば少年ジャンプでもデップーの漫画が始まったみたいですね。

dee909