「マーベル初要素は面白いけど・・・」デッドプール 森泉涼一さんの映画レビュー(感想・評価)
マーベル初要素は面白いけど・・・
ブラックユーモアという大きなジャンルで括り、米国ではR指定映画最高のオープニング成績を残した所以はマーベルというバックグラウンドが存在し、個性が強いキャラクター「デッドプール」の存在とスピンオフという位置づけに対して「X-MEN」ネタが豊富に散りばめられていることからファンを惹き付けたと考えられる。更にはデッドプール役のライアン・レイノルズが自身の映画を皮肉るスピーディーでテンポの良い会話にはマーベルファンではなく映画ファンとして虜になり、このユーモアな会話に観客も巻き込む斬新な演出も本作注目の見所と言える。
だが、これらの要素はデッドプール自身が持つ魅力とそれに付随した面が大半を占め、マーベルファンなら尚楽しめると言えるがそれ以外の映画ファンからすると本作の魅力を存分に味わうことは難しい。ブラックユーモアを終始感じられる魅力はあるものの、反面ストーリー構成では「落ちて、復活して、助ける」。一昔前のヒーロー映画で主流だったものを取り入れることで余計なことを考えずシンプルに見れるメリットはあるものの、やはり現代の様々な仕掛けを施す映画が多数ある中で寄り道しない一直線では物足りない。
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