「泥棒猫と女狐に盗まれた」ONE PIECE FILM GOLD 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
泥棒猫と女狐に盗まれた
原作もアニメも未見、ある程度のキャラや設定は知っていて劇場版だけは見ているという邪道者。
それでも見れるのは、冒険とバトルと友情の少年ジャンプの王道だから。
おそらく現在連載中の○○編繋がりのエピソードやキャラはスルーしてメインストーリーに焦点を絞れば、今回も無難に楽しめた。
麦わらの一味が訪れたのは、10キロにも及ぶ船自体が超巨大カジノであり独立国家である“グラン・テゾーロ”。
満喫するが、あっという間に借金まみれに。
全ては罠。黄金を操る能力者で支配人テゾーロにより、ゾロが囚われの身に。
ゾロを救うべく、ルフィたちは大博打に挑む…!
キラキラキラキラのゴールド世界は劇場版に相応しいスケールと豪華絢爛さ。
「オーシャンズ11」のようなコン・ゲーム、スパイ映画のような作戦・潜入。
ユニークなキャラは定番。テゾーロも恐ろしい独裁者ながら悲劇的な過去があり、それをじんわりと共感させつつ悪役に徹したキャラ描写。
ギャンブルが話のメインの一つなので、騙し騙されの展開。
が、先が読めてしまうのは残念。例えば、ナミたちが辿り着いたタワーのてっぺんで待ち受けていたのは!?…とか。
どんなに敵が強大で絶体絶命に陥っても、最後は勝つのが分かってしまうのが王道作品の長所であり短所。
中盤までのストーリーは面白かったが、終盤はほぼバトルの連続で迫力はあるが少々中弛み。
今回の真の主役は、カリーナと言っても過言ではないだろう。
テゾーロの忠実な僕と思いきや、その実の顔はかつてナミと組んでいた女泥棒。
が、ナミを裏切った過去があり、敵か味方か。
ナミとの因縁と女の友情も見もの、最後はこのセクシー&キュートな女狐にお宝もオチも心地よく盗まれていってしまった。