「ただただくっちゃべっているだけの二人に対する羨ましさ。」セトウツミ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ただただくっちゃべっているだけの二人に対する羨ましさ。
とにかく、「足さない」ことの気前良さ、と言ったらいいか?
深夜の15分番組とかで実験的にやってそうな感じ。
川べりでただ、くっちゃべっているだけ。「ニケツ」とか、そんなたわいもない二人のダベリに付き合わされるだけの映画。それが、なんだか心地良い。それは菅田と池松の上手さなんだろうけど、間や台詞の自然さがいい。だけど、ふつう、色気を出してそこにいろいろと演出を入れてしまいそうなもの。それを我慢して、余計なものを付け足さない覚悟がいい。(たぶん。まさかはじめからやる気がなかったなんて言わないだろうけど)
だけど、正直言えば、映画の満足度とは別に、金かかってない分、半額でもいいじゃないかとも思うのだが。
ま、そうこう言いながらとにかくなにがいいかって、たわいもなさそうな暇つぶしをしている二人が、実は、こうした暇つぶしができるのはあとわずかなんだって言葉にせずとも分かり合えていることが、画面から伝わってくるとこ、なんだなあ。
と、書きながら僕は、「神妙な面持ち」で映画の中の二人を思い出しているわけで。
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