「ガチセリフを感じさせない、アドリブ感が最高。」セトウツミ Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)
ガチセリフを感じさせない、アドリブ感が最高。
予告編だけの情報で、劇場へ。
会話劇というその奇妙な設定に、
ちょっと期待して。
大阪の高校2年生のセトとウツミが、
暇つぶしに川沿いの階段に座って、
たわいもないことを話してるだけです(笑)
ストーリーもなし!
けどね、そこがほっこりして、
引きこまれます。
天然な菅田くんに、理知的な池松くん。
そこにかわいいヒロインの中条あやみさんが絡んでく。
観てる時は、
軸のシナリオがあって、
2人がアドリブで回してるのかと
てっきり思ってました。
けど漫画そのままのセリフらしいです。
だとしたら、すごいなぁ。
なかなか、あの空気出せないですよ。
菅田将暉くんと池松壮亮くんの、
距離感と間合いが絶妙。
さも隣にいるような等身大のカンジ、
演技表現するの難しいんじゃないかな。
さすが、若手実力派の二人ですね。
菅田くんは前作「二重生活」でも、
色気があってよかった。
演出は確信的に映画のセオリーを外していて、
素晴らしかった。
原作漫画の場合、改変と意思が中途半端に介入して、
残念なことが多いけど、
足し算をしなかった英断が、とても良かった。
時折心象シーンや回想シーンのはさみ方も、
流れを壊さないでうまいですね。
そーいえば、今年観た邦画、
「二重生活」「ディストラクション・ベイビーズ」
「海よりもまだ深く」
「暗殺教室~卒業編~」で
この2人に遭遇してます。
出まくりですね(笑)
いったい、どんなペースでしょ。
これね、はっきり言って、
TVの深夜枠でポテチ食べながら、
眺めるやつですよ。
寝っ転がって、ふふふと。
だけど、映画館で劇場全体で、
ふふふを共有すると、
なんか今まで体験したことのない、
不思議なカンジがして、
面白かったです。
こんな会話だけの映画を
でっかいスクリーンの劇場で観るなんて、
何より贅沢じゃないですかっ(むりやり)