団地のレビュー・感想・評価
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まさかこんな映画だとは…
摩訶不思議?
悲しみを燃料に(でも廃棄)
図らずも団地映画を連続で観てしまったが、耽美的に描かないこちらにグンバイが上がった。
人の生活には悲しみが根底に流れている、だからこそ、美しい。そう断言されても全然ピンとこない。ピンと来るために物語が作用する場合があるようで、この場合が本作にあたる。あとは見せ方だが、理解を先回りするセリフと感情表現の抑えられた演出によって下品なわざとらしさがなく、考える余地のたのしみにハメられ、ハマっていった。あっけらかんと清々しいくらいのむなしさをみて、こちらは涙した。途中からは藤山直美が掃除機かける仕草すら感動的だった。だが序盤からいやな予感はあった。もしかしてエヴァンゲリオン展開か?と。
そうして、やはり中盤から狂った。狂うのはいいのかもしれない。が、全員が狂って見えてしまったのでシラけた。全然別のストーリーを形成してしまった。エヴァというか、松本人志の「大日本人」みたいな感じになっていた。悲しみを燃料に力技、何をしても良いとしても、やはり想像力というものはつまらないもので、歪んだ事実をコツコツと積み上げていくしかない。歪み具合は、中盤まで完璧だった。せっかく積み上げたものを一気に無かったことにするその勿体無さが、笑える、という話に堕した。
団地=UFOというのも分からなくもないが、説得力が欲しかった。団地の映し方にフィクション風が、(今思えば散見されるものの)もっと印象づけてあればまだ狂わなかったのかもしれない。
すごくよかった
変な登場人物が変な物言いをして、しょうもないギャグ描写だなと思っていたらまさかの必然性でびっくりした。
漢方薬を作る描写がとても丁寧で、目に楽しかった。
団地暮らしには昔から憧れがあるのだが、自治会的な面倒くささを目いっぱい描いていて、遠くにあるからよく見える感じがすごくした。
こんな渋い映画を誰が見るのかと思っていて、客も6人だった。見たらすごくよかったので応援したくなる。
結末は意味がよく分からなかった。どういうことなんだろう?何かのエラーが起こったのだろうか。
夫婦の哀しさが可笑しさに繋がっていかないんだよなぁ
阪本順治監督、藤山直美主演。
この組み合わせは2000年に映画賞を席巻した組み合わせなので、期待は大。
今回は芸達者の岸部一徳も加わり、藤山直美と夫婦役だというのだから、面白くならないわけがない・・・はず。
漢方薬店を廃業して大阪郊外の団地に引っ越してきた山下清治・ヒナ子夫妻(岸部一徳、藤山直美)。
引っ越してきて半年。
引っ越してきたのは、一人息子の事故死がキッカケ。
団地の井戸端雀たちの噂は絶えない。
そんな中、自治会長候補に他薦された清治は、選挙で落選してしまう。
「清治って意外と人望なかったんやねぇ・・・」という当の推薦者の一言に傷ついた清治は、床下収納に隠れて人目を避けるようになってしまった。
そんな生活が続くうちに、井戸端雀たちの間で「清治さんは殺された」という噂が広まってしまう・・・
というハナシ。
こうやってまとめてみると、2011年の『大鹿村騒動記』のように小さなコミュニティに巻き起こる騒動のようで、なんだか可笑しげ、笑えるコメディって感じがする。
が、なんだか出来上がった作品は、うまくまとまっていない。
これは、もう脚本がガタピシしているせい。
時間を現在から過去、さらに大過去と行ったり来たりして、とりとめがない。
わざわざ行き来して進めるハナシでもなかろう、とも思うのだが、井戸端雀たちと同じく観客をも目くらまそうという感じで、これがいただけない。
観客としては、山下清治・ヒナ子夫妻の気持ちに。すーっとはいっていきたいところなのに、はいっていけなくなってしまう。
山下夫妻が交わす言葉は、軽妙のようでいて、その実、息子の急死が陰に隠されていて、かなり哀しいのだけれど、そこいらあたりのリアリティがどことなく欠如している。
たぶん、これは背景のせい。
ふたりが暮らす団地生活に、生活感が少ないからだろう。
お好み焼きを副菜にして晩御飯を食べるというような描写はあるものの、部屋の様子そのものに存在感が希薄なのだ。
結果として、リアリティがあるのは、
ヒナ子に扮した藤山直美による「ひとりバーコード」のシーン(これは図らずも落涙)と、
清治・ヒナ子による5000人分の漢方丸薬づくりのシーン(これは本当に作っているからだろう)だけということになってしまった。
また、リアリティの欠如が、結果的に、最後のあっと驚く展開を活かしきれなくしてしまった。
この仰天(字のとおり点を仰ぎみる)展開は、故・桂枝雀が分類した落語のオチの中では「ヘン(変)」にあたるもので、現実世界から一気に不条理世界に(これまた、文字どおり)飛んで行ってしまうべきもの。
残念ながら、映画では、もうただただ頭のなかに疑問符が「?????・・・」と並ぶだけの結果となってしまった。
(はじめから伏線が張られていたので、驚くまでに至らなかったので、もっと悪いのかも)
その後の、山下夫妻と自治会長夫妻(石橋蓮司、大楠道代)とのやり取りも、間延びしていて、興ざめ大。
この部分のテンポの悪さもあってか、エンディングの「なんたらが、なんたらした結果」登場する心温まるシーンも活きておらず、すこぶる残念無念。
と書いているうちに映画の印象がどんどん悪くなっていく・・・
書いているうちに☆半分が、どっかにいってしまいました。これも、なんたらが、なんたらしたせいやと思います
なぜ、そうなってしまうんだろう??
笑えるのは笑えるのです。
そりゃ、もう、主演の2人が喋ってるだけで
十分面白いから当然笑えます。
でもいつもの藤山直美の舞台風人情喜劇を期待して行くと
思いっきり裏切られます。
観た事ない藤山直美を撮る!と言うのが
監督の狙いだそうだから〜〜
でもだからって、なんで床下に潜ってしまうのか〜
不自然過ぎて、そこで引いてしまった。
もうちょっとやり方があったのでは??
もったいない〜〜
それと、映画の冒頭、
関西人には身体に染み付いてるある有名人の声で始まります。
その有名人の動員力のせいか
映画観賞には不慣れっぽい層のお客さんが多くて
上映に遅れて来たり、
持ち込んだお菓子の袋がシャカシャカうるさかったり
なんだかな〜〜事がいっぱいあるので
覚悟して行って下さいね〜〜
日常のあり得ないラスト!!
関西のボケとツッコミがしつこ過ぎて逆にいい!
舞子はレディ以来、関西弁をしゃべる演技をする岸部一徳さんに興味を持ってしまい、一徳さん目当ての映画鑑賞でしたが、主人公の藤山さんを始め
そうそうたる役者さんの布陣が面白おかしく、強烈に演技しているのを観て、笑い泣きしてしまいました。勿論、脇を固める役者の方々もバッチリでした。
始めの方の藤山さん一徳さん夫婦での食事シーン
“お好み焼きをオカズしてご飯を食べる”
やっぱり、コレや!コレ!
お好み焼きには、絶対ご飯がないと始まらん!!
と、映画を観ながら心の中で叫んでいる自分がいました。かなりの共感でした!
脱線してしまいました。
映画の内容に関しては、関西のノリの笑いをしつこいぐらい散りばめながらも、
一徳さんの出だしの台詞
今は、社会全体がノイローゼみたいやもんやから
に始まり、猟奇的バラバラ殺人事件や児童虐待にパワハラ?などの社会全体の問題を滑稽な形にして、笑いにしながらも、人と人との繋がりを通してさり気なく提起しているようにも感じました。
しかしながら、なんせ、笑い要素が強過ぎて、シリアスな所もきちんとありながらも、観ていてほんま楽しい映画やと思いました。
藤山さんも最高やけど、
やっぱ一徳さんは別格です。
あれっ~!?とんかつは? ◎いいです!!
多分、必ず意見が出るであろう
最後の方での、ある物体出現場面。
話の筋から仕方ないのでしょうが、物体自体がなんか、ちゃっちい感じで少し残念でした。どうしても見慣れたアメリカものが頭に浮かんでくるので…
そもそも、わざわざ出現させなくても良かったのでは?と感じた次第です。
すいません。
あと、幸運にも公演初日だったので舞台挨拶も見れました。石橋さんが、かなり飛ばされていたので本当に面白かったです。マスコミ無しだったので、少し何でもあり状態での笑いの絶えない舞台挨拶は最高でした
後半のSF的な展開には賛否分かれると思います。
どこでわかりました?
2016/05/26、舞台挨拶付きの完成披露試写会に参加しました。複数の媒体から応募しましたが、今回は、ぴあ映画生活さんからの応募分が当たりました。
漢方薬局を畳んで団地に引っ越してきて半年の、山下夫妻(岸部一徳さん、藤山直美さん)と、自治会長夫妻(石橋蓮司さん、大楠道代さん)を中心に、昭和な団地で繰り広げられるドラマ、と思いきや、山下薬局のお得意様だった真城さん(斎藤工さん)の正体が明らかになるに連れ、話は思いがけない展開を見せ……。
この映画を観るにあたっては、これまでどんなものを読み、どんなものを観てきたか、が、ものを言うなあという気がしました。
自分で言うのもなんですが、わたし、人一倍、本好きなのですよ。
で、役者の端くれですから、舞台も映画もそこそこ観ています。
そのわたしからすると、斎藤工さんの役は、登場してからセリフ3つ喋る間に、何者なのかわかってしまうのです。それも二択や三択ではなく、決め打ちで。
だから、周囲のおばさまがたが、「えー」とか「どういうこと?」と呟いていた展開にも、スムーズについていけました。
最後の最後だけは、あ、そうきたか、と、意表を突かれましたが、ハッピーエンドなので、嬉しい驚き。
もちろん、斎藤工さんが何者かわかっても、それをどういうふうに表現するんだろう、という楽しみはありましたし、昭和な大阪の団地の人間模様も面白く、まったく退屈はしませんでした。
脇役も含めていい役者さんが揃っているので、見応えがあります。
とりあえず、家族や友達にもこの映画を観せて、どこで真城さんの正体がわかったかを聞いてみたいです(笑)
団地の中から浜村淳
ファーストシーンから、声で大阪人の心を鷲掴み(笑)
笑って、驚いて、ちょっと今の自分の身体に不思議な感覚が残る…。
全く新しいジャンルの、とんでも映画でした。
団地という閉鎖された世界(小宇宙)の中で繰り返される日常。
フラストレーションのハケ口は、もっぱら噂話に尽きる。
でも、どんどんエスカレートする噂話の更に上を、軽々と越えていく“事実”!
まさに「現実は小説より奇なり」
←いや、これは映画だし、そもそもがフィクションなのですが(^^;;
そのフィクションの思い切りの良さが爽快でした。
素晴らしいキャストは言うことナシ!
そもそも、このキャストでハズレなわけがないですが。
とくに、自由自在な藤山直美の魅力が全開で、たっぷり楽しませていただきました。( ̄人 ̄)
歌のシーンは一瞬にして胸が締め付けられましたし、寝ぼけてるシーンは可愛くて笑えました。
終盤のギャグは、もはや力技(笑)
次は15年後と言わずに、再々タッグ プリーズ!!
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