団地のレビュー・感想・評価
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疑い深き 隣は何をする人ぞ
閑静な団地へと引っ越してきた山下ヒナコ・清治夫妻。
しかし引っ越しの数ヶ月後に突如、夫の清治が謎の失踪を遂げる。
「裏山への散歩」「旅行」と二転三転するヒナコの証言、
用途不明のドライアイスと大量のプラスチック容器、
時折山下の部屋を訪れるカルトじみた謎の青年ーー
疑心暗鬼と恐怖に駆られる近隣住民たち。
マスコミの追及にも不敵に笑うヒナコは果たして
狂気の殺人者なのか? 全ての謎が解けた時、
あなたは驚天動地の結末を目の当たりにする。
「あり得ないことがあり得るのが団地だーー」
古びた団地を舞台に現代社会の闇を描く、戦慄のサスペンス作。
……ええ、はい、以上は山下さんの近隣住民目線でのあらすじでした。
あの、すいません、この映画、真っ赤なコメディです。
だいたいこんなスジだけど、現代社会の闇とか
戦慄とかそんなのほぼ無いです。全然怖くないです。
ほぼ笑いっぱなしです。結末は驚天動地ですけど。
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観たかったのだけどやっと近所で上映してくれた。
映画賞を総ナメにしたサスペンス作『顔』以来16年振り
のタッグという阪本順治監督&藤山直美主演だが、
今回はコメディ。主演コンビが藤山直美&岸部一徳
というだけで既に笑ってしまいそうなのだが、
主演コンビも他キャストもみんなおかしいし可笑しい。
苦情対応におろおろするばかりの石橋蓮司、
噂話に勝手に尾ひれを付けていく東西南北4人衆、
斎藤工ももはや宇宙人レベルで非常識(けど親切)な男を怪演。
(公開中の『ゴーストバスターズ』といい、
今年は偏差値低いイケメンが流行りなのか)
何よりも藤山直美&岸部一徳コンビ。
コメディ映画ってマジメな顔でやればやるほど笑えるもので、
真剣な顔でボケ倒す2人の可笑しさと言ったら無い。
床板を挟んでの夫婦漫才には笑いが止まらないし、
終盤の藤山直美の大声でのやりとりとかも、あんな
状況であなたは何を冷静に喋っているのかと(笑)。
終盤の展開は映画ジャンルすら変貌させるほどの
キテレツ展開なのだけど、まああんまり深刻な解釈
をせずに「んなアホな」と笑っていれば良い部分かと。
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少しだけ真面目ぶって書くなら、この映画で感じたのは、
何の事情も知らないのに勝手に想像を膨らませて
他人を悪人扱いする隣人やマスコミの身勝手さ滑稽さ。
そのくせ本当に助けが必要な人を助けないのは何なのか。
自分の隣人が人殺しかもしれないという恐怖と好奇心は、
他人の子どもが傷付けられている事より優先されるのか。
自分への干渉は嫌うくせ、自分の気に入らない事や
自分に害が及ぶかもしれない事には躊躇なく苦情をつける。
吉住夫妻などその最たる例で、今に始まった話じゃ
ないとは思うが、あんな人が近頃は多過ぎやしないか。
ホッとされるのは、そんな中でも愚直に生きる山下夫妻の姿。
断ることを断れない清治とヒナコが久々に本気で働く姿は
生き生きしていたし、「キレイな歌声やったよ!」
と思わず声を掛けるヒナコは素敵だった。
辛くても悲しくても頑張って生きる。
鈍臭くてもいいから、誰かに親切に優しく生きる。
噂話じゃなく、面と向かって話した友人なら、その
頑張りをきっと理解してくれる。それに、主人公たち
のようにそれが報われるかどうかは分からないけど、
大事な人に胸を張れる生き方をする事は、
例えその大事な人がいなくなってしまっても
多少は心の支えになってくれるものだと思う。
あんなキテレツを信じなくても、
もしも見ているなら、もしもここにいてくれたら、
そう思うだけで、少しだけ頑張れる気がしないだろうか。
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という訳で、かなり笑えてかなりキテレツで
ちょっとだけ切ない、ヘンな映画でした。
観て損ナシの3.5判定で。
大声で「イマイチでしたかぁ~~?」と聞かれたら、
僕なら「ダジャレ以外は面白かった」と答えます。
<2016.09.04鑑賞>
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余談:
キレイな歌声だったけど……
少年よ、なぜ今『ガッチャマン』なんだ……
2016年なんだしそのぅ……まあいいんだけど。
面白かった。。。。。
そんなに期待しないで 見に行きました。 以外と面白かった 自分も団...
おもしろいのかろくないのか?
おもしろいのかろくないのか?
こういう映画観ると困る。
入り口ですべって、やり過ぎて、それでもやりたいことをやり通される映画。
もちろん「顔」のコンビ復活ということで見ました。
しかしやりたいことは全然違うから、そこは阪本順治らしいと思う。
映画は突っ込みどころ満載なのに、よく出来ている。そこが1番困る。確信犯なのだから。
ストーリーは団地に越してきた夫婦と団地の連中とのやりとりから始まり、中々の進展を見せる。
最初に「世の中ノイローゼみたいなものだから」というセリフがあり、ひくが、あとから考えると効いているのだから、やられる。
おもしろいのかおもしろくなかったのか、考える映画。
てことは、おもしろかったということだろう。これだけ考えさせるのだから。
ついていけない人はハナから相手にしてない映画とも言えるから、要注意です。
あと、団地ものでコテコテといえば思い出さずにいられないのは
川島雄三の「しとやかな獣」
阪本順治監督もカメラアングルの一部でオマージュしたと思われる。
そういえばあの映画も団地ものと思いきや全然違うことを言っていた。
藤山直美と岸部一徳を観に行くだけでも^_^
収納の疑問。
今作に登場する築年数の団地に床下収納なんてあるか?
という疑問が冒頭からあった自分も団地に住んだ経験
がある。不気味感覚を持ったらそれが最後まで続いて
しまい、人情コメディを期待して入ったオバサン達が
鑑賞後「何この映画~」と言っているのがかなり笑えた。
藤山や岸辺をはじめとする名優が可笑しみ溢れる演技
で笑わせてくれるも後半でガラリ印象が変わっていく。
団地に住むということは何かしら秘密を持つことかも
しれないよな~なんて確かに頷くこと多しだが、万人
ウケしそうなタイトルと俳優に肩透かしを食わされる。
(今年は団地映画が多い。海、床下、宇宙…次はどこ?)
802の8は8階という意味
脱力系コメディ+...
藤山直美さんと岸部一徳さんが主役なので、おそらく脱力系コメディという想像が働きます。確かに脱力系コメディなのですが、まさかのSF要素が。その構成自体も笑えます。なぜか「不思議惑星キン・ザ・ザ」を連想してしましました。
友人からの試写会お誘いで。5月末のことなのに今頃のレビュー。 ベテ...
友人からの試写会お誘いで。5月末のことなのに今頃のレビュー。
ベテランの役者陣に、舞台は昭和の大阪の団地。これはまず間違いないやつだ、と期待に胸膨らませ見てみたらば… 期待を裏切らないおもしろさ、そしてほろり。いま、自分この年齢だから、この映画がすごく胸にくるのかも。
残ったポイント。
・やっぱり給水塔。団地好きは、つい見ちゃう。昭和の団地の風景
・5000人分の漢方薬作りに明け暮れた挙句、畳の上で爆睡。夢の中でもコロコロ転がしているひなこさんの手の動きが何とも言えず。
・最後のすき焼きのシーン。一瞬「えっ?」というような、でも「そうか…」と納得する、短い映像に思いが凝縮されていて、じんわりとあたたくなるラストでした。
誘ってくれた友人に感謝。今年のマイベスト3の中のひとつになるとおもいます。
監督・キャストの挨拶やら、おみやげやら、贅沢な試写会でした。
たしかに、見始める前の想像をはるかに飛び越えたストーリー展開だけど。
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