セルフレス 覚醒した記憶のレビュー・感想・評価
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記憶の断片
薬を毎日飲み続けないと、ふらつきや前の持ち主のフラッシュバックが頭をよぎる。クローン人間だとばかり思っていたのに、肉体の前の持ち主の記憶だとわかったエドワード(ライアン・レイノルズ)。その夢に出てきたカボチャ型の給水塔を探し当てると、身体が死んだはずのマークという男であり、マデリン(マルティネス)という妻が帰宅してきたのだった。娘のアナは大病を患い、金のためにマークは自分を犠牲にしていたのだ。
時折、マークの記憶が現れるが、薬を飲み続けると2年でマークの記憶は消える。逆に、薬を断つと完全にマークに戻るというのだ。クローンじゃないことがわかり、ダミアンは組織に狙われることになる。ダミアン自身も、人を犠牲にしてまで自分が生き延びたくないという考えに変化する。
元兵士だったことで身体能力が高い。それを利用して激しいアクションシーンとなる。秘密を知ったからといってそこまで狙われるものなのか・・・その後ツッコミシーンが満載となるが、最後には娘に手紙を渡し、自分の存在を消して、マーク一家が平和に暮らす方向に持っていくところがいいな。
タイトルなし
余命ない金持ちが死と引き換えに若い新たな肉体を手に入れる。しかし、その肉体は人工的に作られたものではなく、他人のものだった。若い肉体を手にした当初は青春を取り戻し、以前の豪華な生活そのままに人生を謳歌するも、薬が切れると若い体にある記憶がフラッシュバックして起こり、他人の記憶、その家族に出会うことで真実を知る。そしてこのサービスを始めた学者たち組織と闘い、他人の家族を守る。最後は残された記憶を薬を断つことでなくす決断をし、家族のために、取って代わられた自分の若い肉体の持ち主のために、金も豪華な生活も与える。本当の娘に小切手ではなく、手紙を渡し、記憶、そして自分の人生を終わらせる決断をするシーンは切ないが、ようやく姿は違えど父娘の絆を取り戻した、その娘を見れたことが救い。若い体の人生のまま謳歌したいと思うのが常だろうがライアン・レイノルズが正義感ある演技。思ったより良作。
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自宅にて鑑賞。贔屓のT.シン監督、旬のR.レイノルズ主演作。監督お得意の潜在意識系を弄る物語だが、有り勝ちな手垢の附いたテーマであり、『ヒストリー・オブ・バイオレンス('05)』を想起したが、過去の残像や微かな記憶に苦しめられる『トータル・リコール('90/'12)』か『クローン('11)』辺りに近いテイスト。やや舌っ足らずで説明不足な箇所もあり、観る人を選ぶのだろうが、いい映画であり、云い換えるなら好きな作品だ。何よりアート系に偏った人だとばかり思ってた監督がエンターテインメントもしっかり撮れると知ったのは大収穫。80/100点。
・珍しく「覚醒した記憶」と云うオリジナルの邦題(副題)が、鑑賞の邪魔になっておらず、端的に本作を云い表している。自己中心的なアイデンティティと一旦、消し去った筈の他人とその過去を思い遣る板挟みに陥り、このジレンマを産み出した者達に怒りをぶつけ、葬り去ろうとするエディプス・コンプレックス、更に些細な誤解により生じた確執で不和な関係となってしまった娘への詫びと贖罪──ごくオーソドクスで王道中の王道なストーリーであり乍ら、厭きさせる事無くがっつり最後迄、魅せてくれる。
・敢えて苦言を呈するなら、肝となる設定のシェイディング(脱皮精神学)後、“ダミアン”の自我が随分縮少されている事と金属があると巧く処置が完了出来無いと云う装置の弱点(薬莢を銜えていたので自己を保てたと云う後半の伏線)を知り乍ら、碌な対策や検査を講じず弱点の対処を怠る“フェニックス”の連中と云う間抜けに思えるプロットホールとも云える微妙な展開が散見出来る所である。更に薬の服用を止めた時点でと云う設定が判った段階で、結末は想定可能な上、実際それを超えない予想通りのラストを迎える感傷的な物語ではあるが、それを差し引いても充分満足した。
・冒頭から僅か15分だけの出番ながら近作ではこのテの役が多い印象の“ダミアン”のB.キングズレーとどこか憎めない初代“アントン”のD.ルーク、先頃鬼籍に入った宇宙物理学者を髣髴させる“フランシス・ジェンセン”博士のT.F.マーフィー、温厚で頼れる相棒“マーティン”のV.ガーバーとその上品な妻“ジュディ”のM.ハーディン、難しい役どころの“クレア”のM.ドッカリーと芸達者な面々が脇を固める中、善人にも悪人にも見える謎めいた仇役“オルブライト”のM.グードが特に佳かった。
・監督にとって初めて石岡瑛子抜きでの製作となった。彼女は物故('12年没)の為、参加出来無かった。本作で“(“ダミアン”転送後の)マーク”を演じるR.レイノルズがしている腕時計はパネライPAM00312である。
・“クレア”のM.ドッカリーは“メアリー・クローリー”として、“オルブライト”のM.グードは“ヘンリー・タルボット”として、TVドラマ『ダウントン・アビー シーズン5('14)・シーズン6('15)』で共演を果たしている。そこでは伯爵家の長女“メアリー・クローリー”のM.ドッカリーに対し、カーレーサーである“ヘンリー・タルボット”のM.グードが求婚する役所である。
・本作の設定と展開は、J.フランケンハイマー監督、R.ハドソン主演の『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身('66)』に巻き込まれ型サスペンスとしてよく似ている。
・鑑賞日:2018年12月7日(土)
単調
高評価だったのでワクワクして観たら全体的に大した事が無くガッカリ。
先が読めたり話のテンポも悪いのか観ていてしんどくなり倍速を何度も使い何とか最後迄鑑賞出来た。
物語は理解出来るけど理解した上で個人的に感じたのはつまらない、の一言でした。
奥さんが何をしたいのか解らず同情や共感も全く感じない。
ストーリーはよくまとまっていたと思う
・心残りの娘に謝罪して、伝えたいことが手紙としてだけど出来て、もらった肉体や記憶を然るべき人に戻して、ラストも良い形で終わっているので、良かったと思う。
・表向きは封印された研究なのでだろうけど、施設がスゴくショボいように見えたのは残念…。
・転送装置を見た印象は昔懐かしのザ・フライの装置を思い出してしまった。
こりゃ微妙 悪いところならひたすら書けそう なんだかご都合主義の塊...
こりゃ微妙
悪いところならひたすら書けそう
なんだかご都合主義の塊と妙な好奇心と正義感に辟易…
大富豪がどういう人間なのかもよく分からんまま体が交換されて征くので、主人公の後々の行動もあまり共感出来ず(悪いことは嫌だったのだろうがそれにしてもねぇ…)
組織のほうも全体的にツメは甘いし、イマイチ組織力も見えてこないし…
もう終わってる過程なのかもしれないが、あんなリスクのある人間使うなら、その辺のホームレスやら自殺志願者でも整形させて使えばよくない?とか思ったり…
確かに優秀な頭脳や権力者を優秀な肉体に入れておきたい気持ちはあるけど、ああなるリスクは頂けない
大体、あの技術で将来どうしたかったのやら…
敵役に魅力を感じないのも頂けない要素だ
さらに主人公。
…正直に言おう。個人的には「別によくない?体手に入ったし」である。
最低だろう、でもそう思った。
幻覚の正体が気になり、元の体の家族が危険。だからとりあえず助ける。まあ良いだろう。
そこからの行き当たりばったり感は否めないし宣伝文句の頭脳が活かされる場面はほぼない。
体術的スキルが活かされる場面もあまりない。
伏線が後で活きてくる。これもない。
見所となる場面不足
主人公への感情移入もまるでなく、終わってしまった…
設定とかは良かった気がするのだが…
他の人のレビューを見てから↓
元の家族に出会った苦悩
全く感情移入出来んかった!と断言
正直、主人公の妙なというか素直すぎる正義感に感情移入出来ないのが敗因。人間もっと真っ黒だよ
娘よ。
映像重視の手法を封印して挑んだというターセム監督だが、
冒頭の悪趣味な金ピカ部屋があのトランプ氏の持ち物だと
いうリアルな派手味は入っていた^^;ストーリー重視という
わりにどこぞで観た展開に納まっているのはどうしてだ?
なんて思いながらデップー(ライアンのこと)が今度は誰に
化けてどういう演技を魅せるのか興味深々で期待していた。
余命少ない大富豪が頭脳を転送して得た身体は、クローン
ではなく家族のいる生身の男のものだった、というところ
から秘密を知った男に降りかかる災難を描いているのだが、
まぁ分かり易い内容なのに長い長い。サスペンスフルかと
期待したのだが、家族メインのプールの場面などいささか
感動の押しつけ?に思える余計な描写が多く緊張感がない。
家族も危ないんだからサッサと逃げればいいのにと思うが
感情的な面も描きたかったんだね今回。と映像を抜いたら
どこで足そうかみたいなおっとりしたアクションに身悶え。
(確かに健康な肉体は欲しいけど他人のは居心地悪いよなー)
まずまず
まずまず面白かったが、話が予想を超えて進む部分がほとんど無い。終盤の1ヶ所だけかな。
のでまぁ、ラストまでわりと予想がついてしまう。
けれど、蛇足と思える部分もなかったので上手くまとまったかと。
しかし、あんな磁気テープの上書きみたいに人格が移せるってどういう仕組み?ってか、コピってるだけでオリジナルは死んでるんじゃ…?
あと、あの組織の目的は金儲けだったのかな?
まあまあ、もうひとこえ!!!
まあまあかなぁ、もうひとこえって感じでしたね。
最後マークになってしまうあたりの感情移入が出来なかった。
だいぶ長生きしたからそれでめでたしと私は思ったけど、娘とお別れするのがつらかったのかな?
覚醒じゃなくて
ガンに侵された嫌な金持ちオヤジが新しい肉体を得て大活躍する話しです。いつも苦虫つぶしたような、しかめっ面の前半のオヤジ殿が物語の展開に合わせてどう変わっていくのか、エンドロールで流れるself/lessの原題に改めてニヤッとさせられる映画でした。
1人のオトコの人生の機微を上手く捉えており、中年もいいところの私にとっては、一方では身につまされました。若かかりし頃の躍動感と働きすぎによる家族との冷たい距離感との対比など、画面見ながら、自分の人生を振り返りつつ、自分が同じ立場だったら、どういう選択をしたかなぁと考えてしまいました。
その一方で、アクション的な要素もふんだんに取り込んでいるところもこの映画の魅力の一つかもしれません。お前は、ジェイソンボーンかと突っ込みを入れたくなることもしばしば。
しっとりとしつつ、スリルも味わえる良作です。
shedding
すごく単純に例えるなら、近未来の医療で、余命半年の大富豪老人が、ジェイソンボーンの身体に生まれ変わる…ような感じです。
健康と若さを再び手に入れ、人生を謳歌する主人公ですが、与えられた薬を内服しないと本来の身体の持ち主の記憶が徐々に蘇ってくることで、自らが嵌った謎の闇を探ります。
主人公の場合は、家庭を顧みなかったことによる、娘とのこじれた関係を強く後悔しています。どんな成功者でも、一つも悔いのない人生なんてないのでしょう。だからと言って、人生や生命を再生していいのか。まして他人を犠牲にして、富める者だけ生き直すチャンスを与えられていいのか。金銭目的の臓器提供は現実の問題ですし、類似の作品はちらほらあるものの、意外と見応えはありました。
物足りない
もっと葛藤して良かったんじゃないだろうか?
なんだか、素直すぎる。
物語の起伏は申し分ないように思うのだが、どうにも元の鞘に一直線なような印象を受ける。
倫理を無視してまで、手に入れた肉体。
それまでの繋がりさえも破棄して。
娘さえも捨てた。
の割には素直すぎるような展開だった。
元々、彼の延命したかった未練が見えてこない…。
軽い話ではなかっただけに、その根幹に違和感を感じてしまうような感じだ。
面白かったけど、もう少し人の闇に踏み込んでも欲しかった…かな。
そもそも。
科学者がそう悪い事をしてるようにも思えず…焼き殺した代償は高いような気がする。
片親なんて境遇はくさる程あるし、
娘も健常者になったわけだし、
父親も望んで手を挙げたわけだし…。
人類の才能を継承する事なく、継続して発揮し続けるってのは、そのまま人類の発展にも繋がるだろうし、
そこから更に生まれる新たな科学もあるだろうし、
そうして迎えた未来には、障害をもつ新たな命などは無いかもしれないし、
実際、新たな体を培養可能になるかもしれない。
…そんな事と同等に思える程のものを主人公が背負ってるように感じなかった。
そこらへんにある、ありきたりの道徳心では釣り合わない。
なので、物足りない。
ちょっと批判入ってますので観賞されてない方は読まないほうがよろしい...
ちょっと批判入ってますので観賞されてない方は読まないほうがよろしいです。
経済をも動かすような大富豪で建築家のダミアン(ベン・キングスレー)が癌に侵され失意のどん底にいるのだけども、頭脳そのものを別の身体に移すことが出来るというので巨額のお金と引き換えに藁にもすがる思いで、それに頼ってみたわけです。(どうせこのままでも余命半年なので) 但しその肉体が過去実際生きてた人間だとは知らずに…
記憶移転に成功してダミアン=ライアン・レイノルズになるわけですが、元のダミアンの性格とか思考の情報が少な過ぎて、ダミアンの行動が元からの思考なのかが分からない。なので正義感強くドンパチやられてもイマイチ乗れない。まぁこの情報まで描いてたらもっと長い作品になってしまうから仕方ないんだろうけど…
極めつけが頭脳を移す施設、装置が安っぽく見えるんです。予算が足りないのか、わざとなのか、そんなんで出来るんかい!と突っ込みを入れたくなるほど。まだX-MENアポカリプスで観た肉体入れ替え能力のほうが…(笑)
そして落ち着きどころが、取って付けたような展開で無理やり家族愛に持ってた感。
私は何を期待してたんだろう…と考えてみます。もしかしたら見る視点を変えればとてもいい作品なのかもしれない。
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