ぼくとアールと彼女のさよならのレビュー・感想・評価
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多くの人に観ていただきたい秀作!
日本では劇場未公開となった本作は、独特のストーリーとキャラの面白さ、そして映画そのものへのオマージュが詰まった秀作だ。何より面白いのは主人公の物の見方、感じ方だろう。学校内を世界の縮図に見立て、どんな国家(グループ)ともソツなく付き合っていく彼の飄々とした目線は、常に特殊な語り口となって我々を魅了してやまない。だが彼もやがて壁にぶつかり、飄々とした衣を脱ぎ捨て、闘病中の少女を励ますためにオリジナル映画を創ろうと情熱を燃やし始める。そんな主人公の心境の変化がたまらなく清々しく、誰しもが経験する大人への第一歩として実に魅力的。ブライアン・イーノの音楽、ストップ・モーションを駆使した不可思議なアニメも、この柔らかい触感に独創的な色合いを添える。完璧な映画とは言い難いが、むしろその不完全さも含めて親しみは増すばかり。サンダンスでの受賞も頷ける愛すべき作品だ。
美しい映像、音楽
多くの人が観ていれば、アカデミー最優秀作品賞に選ばれてもおかしくない素晴らしい映画。取り返しのつかない出来事を通して大人になる少年の物語。人は、その人を知っている人がいる限り死なない。少しでも多くの人に観てもらいたいと思う作品。
骨髄性白血病の女の子と友達になった。母親に話し相手になるように言わ...
骨髄性白血病の女の子と友達になった。母親に話し相手になるように言われたのがきっかけで。アールという(友達)ともう42本以上映画を撮っている。死にゆく彼女の為に映画を作った。それも誰かに言われてなんだけど。彼女とは友達で、でも本当に大切に思ってたし大好きだった。みたいな話。
大袈裟なことはなくて気取ってなく、ナチュラルな作風。面白い人が多くて、笑いの要素は多め。先生や親までも良いキャラ。レイチェルの母からハサミの話しを聞き、それがラスト彼女の部屋に置いてある本でわかるんだけどそこが唯一のうるうる場面か。泣かせにはいってなくて涙堪えてみたいな終わり。
#青春#学園#難病ものなんだけど、優しくてトボけた部分もあって味がある。
グレッグとアール二人だけでほぼ二人しか出てないような映画を撮ってるところが超良い。
木綿仕立てのオレンジA sockwork Orange
午後2時48分のカウボーイPM2:48 Cowboy
とか、名作のパロディみたいな。
雰囲気どこか90年代の映画みたいに感じた。
日本語吹き替え版は小野賢章&早見沙織というアニメ好きなら反応してしまう組み合わせ。
かなりの良作です。
軽妙でさわやかな悲劇
少女が死んでいく、となれば、悲しいけれど、人間なんだから、悲しさの表現には、いろいろある。という映画。
グレッグと、幼馴染みアール、癌で露命となったレイチェルの、お話。
全編に、グレッグとアールが趣味で製作するショートムービーが出てくる。古典映画のパロディだが、その凄まじい諧謔に、目を奪われた。
ヘルツォーク、ゴダール、ベルイマン、スコセッシ、ヴィスコンティ、ニコラスローグ……。解るのも解らないのもあった。短いカットでの紹介だから、洒落の意図はほとんど解らなかった。
ただし、これらのショートムービーは、この映画の骨子とは、関係がない。
いくつ解るか、みたいなことは、権威主義な山の手の映画評論の場で取り沙汰されていればいいことであって、映画にぜんぜん詳しくない人でも、この映画の清爽と悲哀は、じゅうぶんに理解できる。
万人向けの映画に、解る人には解る、みたいな、そもそも無い権威を水増しするのは間違いだ。
この映画は、いうなれば学園もので、同じく学園ものの、ジョンヒューズ監督作やミーンガールズやEasyAやヘザースのように、暢楽な気分で見ていられる。詩的でもないし、気取ってもいない。
ところが、何となく実感のないまま、レイチェルに死なれてみると、激しい無力感におそわれる。
本のくりぬきの中に永遠に生き続けるグレッグ・アール・レイチェル。壁に描かれたリスたち。パラパラ絵。遺された手紙「今年彼の成績が落ちたのは全ての時間を私のために使ってくれたからです」。──それらのシーンから、悲しみが怒濤のように降ってくる。
精一杯生きた小さな命が終わってしまったという実感が、グレッグと観衆に降ってくる。
泣けても爽やか。悲劇なのに軽妙。
日本人には絶対につくれない映画だと思った。
金字塔
何回見ても飽きない
bvbの特典に監督の解説が、ありそれを見て監督のファンになりました。カメラワークや演出、人物の説明などがありとても楽しめる。ありがたやぁー
この映画どこがいいかって個人的にグレッグなんだぁー
ユニークで変わったもののみかたをしているが理解できる部分もあって憎めない。
レイチェルとの関係性もとても良かった。
日本映画だと無理に恋愛要素を詰めるがこの映画はそういった事なく一貫性がある。
成長の物語
映画好きというより、映画制作に携わる人向けといったところか
レイチェル(クック)のための映画作りを同級生の巨乳の女の子マディソンから提案され、何を作ろうかと迷いながら過ごす日々。結局4か月間何も作れず、州立大学の選考も落ちてしまう。レイチェルが効果のない治療を止めると聞いて、見舞いにも行き辛くなってしまったグレッグ(マン)。マディソン(キャサリン・ヒューズ)からプロムに誘われ初めてのタキシードを着るのだった。
ビーバー顔で貧相な男と自虐的になるグレッグ。未完成ながらもレイチェルのために撮った動画を見せるために病院へと向かう。意味不明のストップモーションアニメだって彼女を喜ばせたに違いない。
学校の先生も時にはいいことを言う。人が死んでからその人となりが理解できてくるなんて、結局は人生後悔だらけなんだけど、物語的にはその真意を言い当てている。若いころなんて、人の死の重さを知らない。身近な人が亡くなってから、その存在が大切だったと気づくものだ。グレッグも彼女の遺品を見て、リスが好きだったり、ハサミが好きで分厚い本に立体的に切り抜いた作品がすべて会話につながってたことで涙する。
Oner
2015年サンダンス映画祭でグランプリを獲得したアルフォンソ・ゴメス=レホン監督の作品。
一番最初に目に止まるのは、カメラワークとフレーミング。
カメラワークはかなり多くのワンショット撮影を用いており、まるでカメラがダンスをするかのように部屋の中をぐるぐると回るような動きをします。
このカメラワークは単純にプロダクションで時間と手間がかかり大変ということがまずあります。それをこれだけの数取り入れたのはかなり大変だったんだろうと思いますね。
しかし、その力は映画の中で十分に発揮されていたと思います。まず、観客の視線と注目を集め、映画に食いつかせるという意味でワンショットはとても機能していました。
それに加え、ストーリーと主人公グレッグの心情の波に乗って、カメラワークの趣向が変化し、時には戻っていき、最終的には進化する様子には驚きました。
そしてフレーミング。マーティンスコセッシのもとで修行したということからも納得いきますが、多くのショットで、シンメトリーだったり、フレームに平行な画角がとても多かったです。
それもまた、サブコンシャス的にグレッグの心情を表現していたり、グレッグが暮らす環境というものを描く技術として用いられていました。
それに加えて、ストップモーションを使ったおとぎ話のようなフィクションの世界を劇中に登場させるところからも、そのきちっとしたフレーミングが、コメディ要素だったり、高校生のピュアな感情だったりをとても効果的に表現していました。
ストーリーはいわゆる恋愛もので、見ていながらワクワクすることはできませんでしたが、クライマックスのシーンにはある程度驚かされました。そこまでのドラマ要素から飛躍して、抽象的な比喩的表現をドラマに重ねることで、そこまでの高校生らしいピュアな様子と、そこから自分の色を見つけていくキャラクターたちの個性だったり、その集団の絆だったりを受け取ることができました。
撮影に関して言えば、ワイドレンズの使い方でさらにフィクション要素を夢だったり、超現実的なものへと転身させていくところには、映画の序盤からとても惹きつけられました。
ワイドレンズの空間を引き延ばす効果を使って、キャラクターの若さや不安定な様子を描き、ズームインを使って観客をあえてキャラクターから遠ざけ、観客個人の目でグレッグを見せることによって、観客も一人のキャラクターとしてその映画に登場するような感覚を与えています。
これまでにはあまりロマンス映画で見られなかった角度のキャラクター展開で、今後の作品でロマンスコメディを作っていくのかが気になりますね。
映画好きほど好きになる作品。
たまたまTSUTAYAにて本作を発見し、鑑賞。ここ最近では一番好きな作品となった。
ストーリーは主人公の青年が白血病に苦しむ少女と親しくなり、徐々に主人公が変わっていくというもの。
まず、ストーリー自体が自分の好みであった。青年と少女の親はどっちもどこか変だし、主人公もユーモアはあるけど、ひねくれてる。そんなキャラがそろっていてコメディ要素もあって、とても見やすいのにヒューマンドラマ要素もあって、じわじわと心にしみる映画であった。主人公がオマージュ映画の製作をしていることもあって、映画好きの人なら笑えるシーンもたくさんある。
ラストに迫るにつれて主人公の心の変化が見えてきて、コメディ要素は消えてくる。でも、そのメリハリも良かったし、主人公の語り口調もストレートに響くものがあった。
ラストシーンでは思わず涙が溢れた…
音楽、カメラワークなどの演出面も申し訳なく、ハートフルな青春映画としてかなり見やすい作品であった。
優しさ
死期が迫った人間、それがまだ若くそれも自分の友人だとしたら?
自分の受験を放っぽり出して、友人に何をやってあげられるのだろう。自分との自問自答。
人間の持つ優しさを名作映画へのオマージュと共に感じられる作品だと思います。
なぜに劇場公開しない、、、
ウォールフラワーとかと同じ雰囲気あるけどこの映画の方が好きだし脳裏に刻まれる映画。
多分忘れられない映画になると思う。
青春映画というべきか、難病映画というべきか。
恋愛映画ではないし、難病を取り扱うが主題はそれじゃないし、全編お涙頂戴の女の子の映画ではない。
とにかく素晴らしい。
家で映画見てエンドロールをあっという間に感じたのは初めてだ。
脇役の存在感、キャラも無駄遣いせず面白くていい。
きっと、星のせいじゃない。とウォールフラワーを
足して2で割って不器用にした感じ。それがいい雰囲気になってる。
ストップモーションアニメ随所に
映画オタクの少年ではないのでは。
語り口だけで面白くなる
主人公(トーマス・マン)は映画オタクの高校生で、幼馴染の友人と名作映画のパロディを撮って楽しんでいた。
ママから友人の娘(オリビア・クック)が白血病になったので励ましてやってくれ、と頼まれる。
ぎこちない二人だったがそのうち・・・。
難病モノの青春恋愛ドラマだが語り口がとても面白く、最後まで楽しめる。
周囲に流される生き方の心地よさ
近頃は自己目標を設定し、そこに向かって自らのキャリア設計をする生き方が推奨される。
しかし、この作品の主人公は、母親に言われて仕方なく白血病の少女のもとへ出向き、「君と一日一緒にいないと母親がマジでうざいんだ。レブロン・ジェームズ並に」と少女を説得し、しぶしぶ共に時間を過ごすところから関係を始める。
完全な無気力、無目的、受動的な生き方。
でも、そういう時期、そういう生き方は確実にあるし、だからどうした。目標に向かって生きるだけが人生ではない。周りの状況に流され、毎日を事無くやり過ごすことに集中した生き方にだって、必ず何かしらの意義はあるはずだ。そう思わせてくれる映画。
自分の価値は、自分が全て知っているわけではない。だから、まずは流されてみよう。そうすることで、これまで素通りしていた物事の中に、思いがけない価値を見出すこともあるのから。そう優しく語ってくれるような作品であった。
少女に送った映像作品の完全版がDVDでは視聴できる。よく意味は分からないところもあるけれど、自分の身に起こるモヤモヤを、身近な物に託して表現したような感じがした。どこか、ミシェル・ゴンドリーに通じる作風を感じた。
某放送局の、感動ポルノ的な24時間番組を、妻に強制的に見せられたからか、口直しに最高の作品であった。
映画の映画、男女の友情がテーマ。 辛抱強いヒロインとナイーブな主人...
映画の映画、男女の友情がテーマ。
辛抱強いヒロインとナイーブな主人公の映画を挟んだ微妙な関係。
セックスも拳銃もないアメリカ映画。
小説版を買おうか迷ってます。
印象深いシーンは、北極クマのマネするシーンです。
十代か二十代の人におすすめ
郊外の悲劇と青春と日常と
日本の学園モノにもありそうな、へなちょこ男子の生活感溢れる家庭内の空気や友人とのやりとりに始まる。が、しかし主人公のクリエイティブな嗜好が演出の小品となり、そこに表れる心理描写の流れが物語の隙間をしっかりと埋めて説明している様は秀逸。
またハッピーエンドになるかと思いきや、ヒロインの急逝が若き情熱を奮い立たせることに繋がっていく姿は、成長憚として見るものに清々しさを与える。
飛行機の中で観ましたがボロボロ泣いてしまいました。フェニックス映画...
飛行機の中で観ましたがボロボロ泣いてしまいました。フェニックス映画批評で見落とされた映画賞受賞とのことですがまさにその通り。思春期の純粋な心情がよく現されていて、エマ・ワトソンのウォールフラワーに似た印象の、心温まる作品。
主演のオリビア・クックがキュートです!
日本でも もっと話題になって良い映画だと思います。
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